熊坂てつ 議会レポ−ト


2006年1月発行 第41号
<WEB版>
厚木愛甲環境施設組合

なぜ、今ある施設を活用しないの?
− 中間処理施設 候補地選定の不思議 −


厚木市環境センター
ごみ処理能力327t/日




厚木市は、昨年6月、厚木愛甲環境施設組合のごみ中間処理施設の候補地に同市棚沢の神奈川工科大グランドを選んだことを突然記者発表しました。

というのも、それまで地元住民は何も知らされず何の説明も受けていなかったからです。情報を公開し住民参加でオープンな議論をしている清川村とは対照的です。民主主義のルールを無視した市のやり方に、棚沢自治会は緊急総集会を開いて「断固反対」を決議しました。

決定のプロセスが非民主的であるのに加えて、厚木市はなぜいまある施設の有効活用を考えなかったのでしょうか。周辺の施設(ふれあいプラザも含む)もそのまま利用が可能ですし、建設コストも半分で済むはずです。相模原市は4月から南清掃工場の建て替えに着手しますが、新規立地ではなく、いまある施設の拡張でそれに対応する計画です。




候補地とされた工科大グランドは鳶尾山の豊かな自然の真っ只中にある。

なぜ、ここにごみ焼却炉(325t/日)を建設しなくてはならないのか?


<参考資料>清川村のホームページから

一般廃棄物最終処分場の候補地選定について 

村では、厚木愛甲ごみ処理広域化基本計画に基づいて、本村に配置予定の最終処分場の候補地の選定作業を進めています。

村議会や村一般廃棄物処分場建設事業検討委員会などのご意見をもとに、候補地4か所を選定しています。 近隣自治会への説明会を実施し、6月22日、厚木愛甲環境施設組合に候補地を報告しました。

今後、組合では、これらの候補地について、土地利用の可能性を調査し、比較検討資料を作成して、村に報告します。

村では、調査資料などをもとに、村議会や村検討委員会にお諮りし、検討していただくとともに住民の皆さんには、住民懇談会などいろいろな機会を通じて情報を提供し、ご意見をお聞きしながら進めてまいりますので、ご理解ご協力をお願いします。



毎度おなじみ 熊さん、八っつあんの
まちづくり談義 「鳶尾山の自然を守れ」の巻

一同 明けましておめでとうございます。

去年の町長選挙は山田さんが再選、町議補選では新人の佐藤茂さんと近藤さち子さんが選ばれましたね。新しい人が入って、議会も活性化するといいですね。
ところで、去年の12月議会に、厚木市の棚沢自治会から陳情が出されたそうですね。
ええっ、厚木市から愛川町にですかい。一体、どんな陳情が。
ご隠居 「ごみ中間処理施設」建設に反対する陳情じゃよ。
ご隠居 何ですか、その、、、中間施設というのは?
ご隠居 ごみの焼却施設と粗大ごみ処理施設をあわせたものじゃよ。
でも、場所は厚木市でしょ。
なぜ、それが愛川町に?
ご隠居 実は、平成6年、愛川聖苑をつくるときに、厚木市棚沢の自治会から反対陳情が出された。そのとき町は7項目の協定を結んだ。その中で、今後、棚沢自治会に隣接して新たな不快施設はつくらないという約束をしているのじゃ。

その約束を守って欲しいということですね。

愛川町も組合の一員なんだから責任の一端はあるはずだと。
ご隠居 そういうことじゃ。

ところで、ごみ中間処理施設の話はいつ、どこで、どんなふうに始まったんですかい?
厚木愛甲だとか、環境施設組合だとか、あっしにも何だかさっぱりわからんのですが。
ご隠居 この話を遡れば平成9年のダイオキシン問題に行き着く。当時はあちこちのごみ焼却炉からダイオキシンが排出されて、それが社会問題になった。
そうそう。テレビでも毎日その問題ばかり取り上げていた。
ご隠居
政府もこれを放置するわけにも行かず、ダイオキシン発生防止に関する新ガイドラインを発表した。その中で、小さな自治体の炉は廃止して、300t/日以上の炉にするという「ごみ処理広域化」の考え方が示された。
なぜ、300t/日以上なんですかい。
ご隠居 愛川町(56t)のような小さな炉の場合、24時間連続運転できるように設計されていないのじゃ。毎日炉の火をつけたり消したりする時、どうしても炉の温度が下がるのでダイオキシンが発生しやすくなる。だから、大きな炉で燃やせということと、もうひとつ国の狙いはごみ処理広域化によって合併を進めようとしたことじゃ。
へえ〜っ。そうなんですか。
ご隠居 そのため、広域化に協力しない自治体には補助金を交付しないことにした。
それは困りますね!
ご隠居 平成10年3月、県内市町村を9ブロックに分けた「ごみ処理広域化計画」がつくられ、厚木市、愛川町、清川村の3市町村は「厚木愛甲ブロック」として位置付けられた。
なるほど。じゃあ、そこから厚木愛甲環境施設組合が生れたわけですね。
ご隠居 そういうことじゃ。それに先立ち3市町村は、平成15年11月、「一般廃棄物(ごみ)の共同処理に関する合意書」を締結し、厚木市に
中間処理施設を配置することにした。なぜ、ごみ焼却炉が厚木市なのかといえば、燃やすごみの85%は厚木市のごみで、愛川町は14%、清川村にいたってはたったの1%しかないからだ
へえ〜っ。そうなんだ。
しかし、いま愛川町では美化プラントでごみを燃やしていますよね。そこはどうなるんですか。
ご隠居 いい質問じゃ。それはじゃ、組合の施設が完成するまでは燃やすが、そこができれば美化プラントでは燃やさなくなる。つまり不要になるということじゃ。

厚木市はどうなんですか
ご隠居 厚木市は、いま金田にある環境センターで燃やしているが、ここも組合の施設ができればもう要らないので廃炉となる。まだ20年しか経っていないのにもったいない話だ。

それはいつのことですかい。
ご隠居 広域化基本計画によれば、平成23年までに建設を完了し、24年から施設を稼動させることになっておる。
それで棚沢の工科大グランドが候補地に選ばれたというわけだ。
うん、やっとわかってきた。
しかし、それにしても厚木市の決め方はちょっと乱暴じゃないですか。
地元に何の相談もなく、ここに決めたからと一方的に記者発表してしまった。
いくら市長に権限があるといっても、それはひどい。
どう見ても民主的なやり方とは言えないね。
棚沢の人たちが怒るのも無理はない。
他に場所はなかったんですかい。

ご隠居
厚木市の検討委員会(市の職員で構成)では、最初、8か所の候補地を選んで、いろんな角度から検討、それを4か所に絞って、市の「政策会議」に報告したと聞いておる。
そこで4か所の中から棚沢が選ばれたということですかい。
まったく地元の意見も聞かないでね。
清川村は最終処分場の候補地を1か所じゃなくて、4か所、組合に報告したと聞きましたが。
ご隠居 そうなんじゃよ。候補地の選定に当たっては、首長の判断で決めるのではなく、住民参加で、自治会長さんや公募の委員も参加して民主的にオープンな議論を行っているそうじゃ。
厚木市のやり方とは大違いですね。
ご隠居 その通りじゃ。

しかし、1か所じゃなくて、なぜ4か所も組合に報告したのですか。
ご隠居 そこが重要なんじゃよ。最終的に1か所に決めるにしてもプロセスが大事だ。
プロセスといいますと。
ご隠居 報告を受けた組合は、専門の調査会社に調査を依頼し、その結果を踏まえて、もう一度、厚木市と清川村に最終的な候補地の選定をしてもらうことになっていた。
なるほど。
だったら、厚木市も性急に決めないで、清川村のように4か所報告すればよかったんですね。
ご隠居 そうじゃ。その通りじゃ。17年度の組合予算にはそうした調査経費が計上されておるんじゃから。
ところで、あっしは鳶尾山の自然が好きで、よく散歩に行くんですが、あそこにごみ焼却炉の大きなやつができると、辺りの自然環境は一変してしまいますね。
おいらもそれがとても残念だ。折角の美しい景観が台無しになってしまう。
何もあんな自然のど真ん中につくらなくてもいいのにね。
厚木の市長は自然を愛する心がないんですかねえ。
ご隠居 それは直接市長に聞くしかないが、都市マスタープランといって厚木市のまちづくりの基本方針がある。その中では、この棚沢地区は「山と自然を育むゾーン」として位置づけられ、「鳶尾山周辺の樹林地はその優れた自然環境を保全するとともに、観光レクレーション拠点の形成による余暇活動の拠点としての利用を図る」とされおる。
そうすると、今回の決定は、その都市マスタープランにも反するということですね。
ご隠居 きちんと読めばそういうことになる。
ご隠居
鳶尾山といえば、今から30年ほど前、ある砂利採取業者が山をひどく削って、(発破(ダイナマイト)を使って山を崩していた)、この美しい山を見るも無残な姿にしてしまったことがある。それで、これ以上の自然破壊は許せないと厚木市と愛川町の住民が立ち上がってそれをストップさせたのじゃ。われわれはそうした先人の苦労を無にしてはいかん。ふるさとの自然は守らなければならんのじゃよ。これから生れてくる子や孫のためにもな。


12/18 ごみ中間処理施設建設反対 決起集会


12月18日(日)午後1時より神奈川工科大グランド北側空き地で、ごみ中間処理施設建設反対の決起集会がありました。集会には251人もの地元住民や近隣の市民(愛川町からも)が参加、会場は熱気に包まれました。





冒頭、和田会長が「地域住民の声を結集して断固反対して行こう」とあいさつ、続いて、棚沢地区「ごみ中間処理施設建設」白紙撤回をもとめる会の関原委員長(元市議)が基調報告を行いました。





だれも知らないうちに山口市長が棚沢を勝手に候補地にして記者発表してしまった。厚木市には金田に新鋭工場があるのに、なぜまた造らなければならないのか。中津川や鳶尾山の豊かな自然を破壊する施設建設はいらない。(中略)

今、皆さんが立っていられる所は、かって武田の残兵がソバの白い花を相模湾の白波と錯覚して自害した地であり、地元の人がこれを哀れんで、いまでもソバを作らぬという言い伝えを残す「民話の里」です。
人の命の大切さを今に伝える地になぜ公害を撒き散らし自然を破壊する施設を作る必要があるのでしょうか。と切々と訴えました。


決起集会の詳しい様子は以下のページでご覧ください。
http://www.tetsu-kumasaka.com/512rally.htm



廃プラ施設に住民反発 (10/20 読売)

町田市と八王子市の境界に近い町田市小山ヶ丘に廃プラスチック中間処理施設の建設が計画されていることが明らかになり、健康被害などを懸念する近隣住民が強く反発している。特に、八王子市側の住民には説明会の通知もされなかったことなどから、「こちらも当事者。行政の枠にとらわれず、しっかり説明してほしい」と訴え、八王子市も町田市に、住民に説明するよう求めた。


町田の廃プラ施設、凍結へ (12/23 読売)

町田市議会は22日、両市の5市民団体からそれぞれ提出された「計画凍結」を求める請願をいずれも採択した。これを受けて会見した寺田和雄市長は「市議会の判断を尊重したい。当面は、事業を進めることを凍結する」と表明した。


清掃工場計画を白紙撤回(9/22 読売)

山形広域環境事務組合は、蔵王半郷の新清掃工場建設計画を白紙撤回することを決めた。周辺住民の反対が強いため、予定していた用地買収交渉を断念、候補地選考をやり直す方針。すでに人件費や環境アセスメントなどに4億3千万円がつぎ込まれ、土壇場での方針転換にトップの責任を問う声も出ている。
1万3千人の反対署名を提出した反対派代表の山川幸信さんは「地域の人が納得する方法で決めていればこういう結果にはならなかった」と述べた。


エコループプロジェクト

山北町も県内35市町村のごみと産業廃棄物を処理するエコループプロジェクトを断念した。理由として、@町側の説明や進め方に不信感が高まったことA町と住民との間に認識のズレがあったことの2つがあげられています。