熊坂てつ 議会レポ−ト WEB版


2002年2月発行 第25号
12月議会
山田新町長の登場

12月11日、きょうは山田新町長が初めて迎える一般質問の日だ。質問に立つ議員も、またそれに答える町の職員も朝からピリピリしている。それ以上に緊張しているのが、新町長の山田登美夫さんだ。
傍聴席もにぎやかだ。何といっても24年ぶりに新しい町長が誕生したのだ。ひと目その姿を見ようと大勢の人がつめかけた。
さて、一般質問が始まった。最初の質問者は鳥羽議員。さっそく、町長の選挙公約を取り上げ、「町民会議1000回の実行」と「町民アイデアに1億円」という公約について、その真意と実現の可能性を鋭く追求した。
ここが山田新町長にとってはもっとも緊張する場面だったと思う。しかし、きわどくしのいでピンチを乗りきり、あとは徐々に落ち着きをとりもどして、最初の難関を乗り越えた。


新町長の印象

率直に言って、24年ぶりの新しい町長という感じが全くしなかった。いままでの助役のイメ−ジが強いのかもしれないが、やはり何か物足りない。
確かに、真面目だし、一生懸命取り組んでいる姿勢はよくわかる。しかし、議会の答弁を聞いていても、いまひとつ人の心に訴えるものがない。
もっと積極的に自分をPRしたらどうかと思う。町長になったといってもまだ山田さんをよく知らない人も多い。だから、その点を意識して自分を売り込むことも必要ではないかと思う。
それから、もうひとつ、自分のことばで語って欲しい。もっと自信をもって。

* 期待された12月議会だったが、傍聴者からは、町長の答弁の内容が分かりにくい、もう少し議場内の活気が欲しいなど、厳しい声も聞かれた。

選挙公約その1 町民会議1000回の実行

町長:「町民会議1000回の実行」とは、今まで以上に数多くの町民との対話の場や機会を積極的に設けていくという目標でありまして、1000回を目指して対話を重ねていきたいということでございます。

感想:それなら、最初から1000回だなんて言わなければいいのに。選挙が終わってから、いや、それは努力目標ですじゃあズルイですよね。
町長の政治信条は「清潔、誠実、公正」じゃなかったかな。

選挙公約その2 「町民アイデアに1億円」
じつは、町民アイデアに3万円!

町長:まず、アイデアに対する報奨金としては、「審査会を設けまして審査を行い、例として上限を3万円程度とし、アイデアの内容によりランクづけしたらどうかと考えています。」
まちづくり事業としては、14年度に検討委員会をつくり、15年度には基金を設け、5年間で総額1億円の枠内で実施したい。

感想:何とこれが「町民アイデアに1億円」の正体だったのです。

選挙公約その3 < 温泉施設 >

今までも何度か議会で取り上げられたこともあったが、多額のお金がかかることから相馬前町長も二の足を踏んでいた。
しかし、山田町長はこれに前向きで、温泉開発についての事前調査を本年度中にまとめ、14年度には、温泉源の調査方法や設置場所などの調査・研究をしていきたいとした。

選挙公約その3< 小児医療費の無料化 >

所得制限はもうけないで、14年度のできるだけ早い時期に実施。そのために新たに必要な財源は1500万円から1700万円。町民ニ−ズに応えるため優先的に予算配分する。これはいいニュ−スです。

選挙公約その3< 職員定数の削減 >

すでに以前からある町の「定員適正化計画」に従って削減するだけ。新規に削減するものはゼロ。つまり、山田町長になっても、何も変わらないことがわかった。

選挙公約その3< 学校給食の調査・研究の推進 >

中学校給食については、まったくの期待はずれ。1歩も前進しませんでした。お金がかかる(当然!)とかいろんな理由をあげて実施は難しい! と、ただそれだけ。
せめて学校給食のあり方について、住民参加で議論していきたいぐらいの答弁は欲しかったですね。

少人数クラスを望む

公立小中学校の学級定数は40人。生徒の数が40人以下なら一つのクラスだが、41人になると20人と21人の二つのクラスになる。
この差は大きい。40人では、ベテランの先生でも最近の子は手に余る。学級崩壊にもつながりやすい。愛川町でも36人以上のクラスが小・中学校あわせて35もある。
ところが、先生一人当たりの生徒数を見ると、小学校で22.2人、中学校で18.4人となっている。これを見ると工夫次第で少人数クラスはできるのではないかと思うが、どうなんだろうか。
ところで、愛川町でも少人数授業の取り組みが行われている。各中学の状況をご紹介しよう。


愛川町の教育:基礎デ−タ
表1 生徒数別学級数(普通学級)
13〜20 21〜25 26〜30 31〜35 36〜40
小学校 1 14 21 37 15
中学校 0 0 23 20

表1
生徒数 教員数 一人当たり生徒数
小学校 2,756人 124人 22.2人
中学校 1,530人 83人 18.4人

教員(校長、教頭、養護の先生は除く)

愛川町の少人数授業各中学校の取り組み

*愛川中学校
  • 1年数学:週3時間、2クラスを3クラスに分けて習熟度別に少人数授業を実施
  • 2、3年国語:週1時間、TTで実施
  • 3年音楽:週2時間、TTで実施
*愛川東中学校
  • 1年数学:週1時間、TTで実施
  • 2、3年英語:週1時間、TTで実施
*中原中学校
  • 全学年数学:週1時間、少人数制、生徒の希望により、基礎コ−スと応用コ−スに分けて実施
  • 2、3年英語:週1時間、少人数制、特にコ−スはもうけないで実施
*TT:チ−ムティ−チング
二人の先生がチ−ムを組んで教える方法


ごみ処理の広域化計画

  • ごみ処理広域化というのは、いままで愛川町が単独で行って来たごみの処理を、厚木市、清川村の3市町村で一緒に行おうとするものです。
    すでに1年前から厚木市役所の中には広域化のための準備室が設けられ、調査・研究が進められてきました。
  • 厚木愛甲ごみ処理広域化スケジュ−ル(案)


< 私の意見 >

確かに、広域行政は必要ですが、だからといって、国の指導に従ってごみ処理まで広域化し、そのために大型の焼却炉(金食い虫)の建設に向かうのは疑問です。(プラントメ−カ−は喜ぶでしょうが)

一見よさそうな感じのする「広域化」ですが、それに不用意に飛びつくと、後で、こんなはずではなかったということにもなりかねません。

中間報告書をみても、肝心のごみ減量化へのビジョンもなければ、財政的な見通しも示されていません。

もし、ここで将来の選択を誤るようなことになれば、いずれそのツケは私たち町民が払うことになります。町には、ぜひ、わかりやすい説明と情報提供をお願いしたいですね。

広域化の問題点
市町村合併と同じく、広域化にもいくつか難しい問題があります。
  • まず、迷惑施設といわれる焼却炉と最終処分場をどこにつくるか。
  • 事前評価としてのコストおよびリスクに関するアセスメントをどうするか。
  • 代替案(広域化以外の選択肢も示す)の比較をどのように行うか。
  • 費用負担の公平性をどのように確保するか。(横須賀三浦ブロックでは負担金をめぐって、広域化が暗礁に乗り上げてしまった)

    * 広域連合でやるとなると、新たに執行機関と議会をつくる必要があります。(自治体の上にもうひとつの自治体)
12月議会での一般質問

1. 町長選挙を振り返って
@ 選挙費用の公費負担について
A 立会演説会(公開討論会)の開催について

2. 住民参加について
@ 住民参加を選挙公約の柱にした理由は何か
A 住民参加条例をつくる狙いは何か
B 住民参加と情報公開
C どのように条例をつくるのか、方法と今後のスケジュ−ル
D 自治基本条例との関連

*3月議会から一般質問が一問一答方式になります。わかりやすいので、きっと議会が面白くなると思いますよ。

一般質問
てつの解説とコメント

先の町長選挙では、有権者の方から立会演説会をぜひやって欲しいという声をよく聞きました。立会演説会は、候補者の政策や考えを比較検討できるまたとない機会だからです。
町の「わたしの提案」にも、 「選挙のたびに思うのですが、ぜひ各候補者の立会演説会を学校や文化会館で行ってください」という投書が寄せられました。

そこで、12月議会では、立会演説会(公開討論会)の開催について取り上げました。
しかし、町(選挙管理委員会)は公職選挙法上に根拠がないことを理由に、実施は難しいと答えるにとどまりました。

確かに、今の公選法では、選挙が始まってしまうとだめですが、選挙が告示される前なら大丈夫なのです。

公平・公正が確保できないと町はいいますが、法律が改正される前は、何を隠そう選挙管理委員会が立会演説会を実施していたわけですから、できないはずはありません。
ぜひ、実施に向けて努力していただきたいと思います。

ホ−ムペ−ジの掲示板より

はじめまして。私は愛川の緑多い環境にあこがれて去年の夏に転入してきた者です。
職場でも愛川の良さを吹聴して回っているのですが、私の地区ではADSLもCATVも使えず(愛川局)、情報関係の話題になると寂しくなります。

私には選挙権がありませんでしたが、先の町長選挙で誰かの「わが町にもCATVを」などというセリフを聞いて、今さらそれじゃマズイんじゃないか?と思ったものです。

町のHPも近隣町村に比べても残念ながらお粗末で、度々訪れて情報を得ようと思える内容ではありません。インフラの整備は基本的に企業の仕事とは言え、町も情報分野にあまり熱心ではない様に思えてなりません。

このすばらしい環境と進んだ情報インフラが両立すれば、近隣市町村でもどこにも負けない町になると思うのですが。(新入り町民)

「市町村合併」を考える

いま日本では世を挙げての合併論議が花盛りだ。国は、合併により、いまある市町村の数を1000程度にまで減らす方針だ。もちろん、そのための合併特例債という「アメ」も用意しつつ、交付税の削減という「ムチ」もちらつかせている。

神奈川県でも、箱根、湯河原や小田原など西部の市町村が合併に向けた動きを見せているし、最近では、湘南地域の3市3町が合併して政令指定都市をめざす「湘南市」構想が新聞紙上をにぎわした。

さて、愛川町だが、驚くほど静かだ。これでいいのかと思うほど、合併の話は聞こえてこない。

神奈川新聞の6首長新春座談会で、山田町長は「このたびの選挙で、町内全部を回った中では、合併推進の意見はごくわずかだった。」と語った。

もとはと言えば国の財政難に端を発した合併問題だが、本当はこれからの超高齢社会における自治体のあり方が問われている。

「合併」する、しないといったレベルの議論ではなく、この機会に将来を見据え、自治体としての愛川町のあり方について、町民同士が意見を戦わせることも必要ではないかと思うのだが。