付帯決議(案)をめぐる
 何とも不可解な反対討論 


議会最終日の3月27日、「民主みらい」は、平成21年度愛川町一般会計予算に関する付帯決議(案)を議員提案しました。

それに対して、何とも不可解にして珍妙な反対討論がありました。討論された方は、若手の有望株で、将来の愛川町議会を背負って立つことを期待される議員でもあることから、また、今後のより良い議会討論の糧とするためにも、ここに私見を述べておきます。

たぶん、討論された議員さんは、付帯決議についてあまりご存知なかったのだと思います。しかし、自信たっぷりに、大上段に構えて、そもそも付帯決議とは、、、とやられたので、余計滑稽な感じになってしまいました。

少なくとも、会派を代表して討論された以上、それは一個人の見解というより、会派としての公式見解ということになります。本当に、会派の皆さん全員が同じような認識のレベルなんでしょうか。私には、とても信じられません。

さて、「民主みらい」が議員提案した付帯決議(案)ですが、内容は以下の通りです。





平成21年度愛川町一般会計予算に関する付帯決議(案)


 中学校給食については、弁当併用デリバリー方式による完全給食が、本年10月より、実施されることとなった。しかし、導入にあたっては生徒指導や学校運営上の課題、あるいは学校の日課の問題、食教育への取り組み、委託業者の選定など、まだまだ時間をかけて慎重に検討すべき課題が多く存在する。

 また、議員による先進地の視察では喫食率が50%台というところもあり、本町においても、いかにして生徒の喫食率を高めるかが新たな課題として浮上してきている。

 さらに、税の公平な受益という視点から考えると、弁当を持参する生徒が不公平にならないよう、例えば(仮称)お弁当手当てを支給するなど、必要な対策を講ずることも併せて検討する必要がある。

 このように、導入にあたっては課題も多く、まだまだ研究の余地が多くあることから、会派の中には時期尚早という声もある。

 そこで、弁当併用デリバリー方式による中学校給食の導入にあたっては、慎重の上にも慎重に、将来に禍根を残さないよう、万全の準備と体制で臨まれることを要望する。

 以上、決議する。





<反対討論の要旨>

@付帯決議(案)の内容は本町にとって大変重要な案件である。

A議会として付帯決議をするにあたっては、事前に十分な調整・協議を行って議案を提出することが肝要である。

B本来、付帯決議とは、審議の対象である事件の議決に当たって、その事件に付随的につけられる意見、または要望の決議であり、愛川町議会の総意、機関意思として決議されるべきものであって、個々の議員の考えや、個別の会派だけの考えで決議すべきものではない。

C一般会計予算は、非常にはばの広い、広範囲にわたる内容の議案であって、個別の事業だけを捉えて、安易に付帯決議をするのはいかがなものか。

D付帯決議をするのであれば、愛川町議会の総意として、全会派が賛同して決議するのが大前提であると考える。

したがって、付帯決議には反対である。





<反対討論>への(私見)

@付帯決議を提出するにあたっては、事前に、決議案を作成し、各会派に伝えてある。決して、十分とはいえないかもしれないが、本会議前の限られた時間の中で、必要・最小限の調整・協議は行ったと思う。

A付帯決議とは、おおせの通りのものである。だからこそ、議員皆さんのご賛同を得るため、議案として議会に提出したのである。
提案説明のとき、はっきり、そう申し上げたのに、私の説明を聞いていらっしゃらなかったのでしょうか。

B確かに、一般会計予算は幅広い内容の議案だが、個別であれ、全体であれ、意見・要望を言うことはできる。ちなみに、他議会が行う付帯決議は、ほとんどが個別事業・施策に関するものである。

C確かに、議会決議というのは、愛川町議会の総意として、全会派が賛同して決議するのが「望ましい」が、しかし、だからといってそれが「大前提」だということにはならない。

⇒愛川町議会においても、昨年の12月議会において、「生活保護級地区分の見直しを求める意見書」を「賛成多数」で議決したではないか。
⇒反対した会派もあった!
⇒全会派が賛同したわけではない!
⇒そして、そのとき議案を提案したのは、あなたが所属する会派だったのではないでしょうか。





<まとめ>

@こんなピントがずれたトンチンカンな討論を、付帯決議が何たるかもわからない「新人議員」にさせないでほしかった。

A事前の調整・協議云々より、付帯決議の内容について、会派としてどう考えるのか、まず、それを明らかにしてほしかった。

B提案者の「民主みらい」にすれば、あなたの会派の代表質問に感動して、付帯決議をしようという気持ちにさせられたのです。よく読んでいただければおわかりになると思いますが、付帯決議の内容は、あなたの会派が代表質問で表明された内容をベースに構成されています。(念のため議事録を録音テープで確認の上、付帯決議案をつくりました)

Cですから、当然、ご賛同いただけるものと思っていました。あなたの会派がまさか反対するとは思わなかったです。付帯決議に反対することによって、あなたの会派は自らの発言と行動に矛盾するという過ちを犯してしまいました。

D本来なら、代表質問での意見表明をより明確な形に、つまり、一会派のレベルから、議会としての意思へと高めるたに、あなたの会派こそ付帯決議を提案すべきだったと思いませんか。

最大会派として、議会をリードしようという意識、プライドをもっていただきたいと思います。

E付帯決議に対して、他の会派はどう思うのか、何も意見表明がないまま否決されたのはとても残念です。(町側も、他の会派がどう思っているのか、聞きたかったのではないでしょうか。)


参考事例:武蔵野市議会の場合


武蔵野市議会は、3月25日の予算特別委員、および3月27日の本会議において、平成21年度予算案に対する付帯決議を賛成多数で可決した。


平成21年度予算案に対する付帯決議

平成21年度一般会計中、教員用コンピューターネットワーク構築に係る予算について、学校業務の効率化やセキュリティ対策のなどの観点から、システム構築そのものの必要性については一定の理解をするところだが、多額の予算が計上されているにもかかわらず、その検討の詳細な報告やプロセスについて議会には十分説明がなされていない点については、まことに遺憾であり、本予算特別委員会について十分な議論が尽くされたとは言いがたい。

よって、コスト削減に向けた比較検討材料を提示するなど、事業内容の再検討を要望し、議会の理解を得られるまで、本事業に関する予算の執行の凍結を求める。

以上、決議する。


自由民主クラブ、市民クラブ、公明党による賛成多数により可決。
反対したのは、民主党・無所属クラブ、共産党、市民の党。


審議の様子は、武蔵野市議会のインターネット議会中継で見ることができます。
http://www.musashino-city.stream.jfit.co.jp/

3月24日(火)予算特別委員会の「討論、採決」からご覧になることをお勧めします。24日は深夜の予算審議となり、付帯決議が提出され質疑が行われましたが、日付が変わる前に、委員長が「本日は、これにて延会します」と一旦議事を打ち切り、、改めて翌3月25日(水)の午前0時1分より再開しますと宣言して、議事は続行されました。

尚、本会議での採決の場面は、3月27日(金)後半部分(2:41:50〜)をご覧ください。


<武蔵野市議会から学ぶこと>

ご覧になっていただければわかりますが、「そもそも付帯決議とは、、、」なんて議論はしていません。(当然です)

質疑も討論も、すべて決議の内容に関することであり、各会派はそれぞれ自説を述べています。(これも当然です)

決議の内容は「教員用コンピューターネットワーク構築に係る予算について」であり、「個別の事業だけを捉えて、安易に付帯決議するのはいかがなものか」と指摘をされた、まさに個別の事業そのものであります。

決議を提案した会派は、予算審議の中で「教員用コンピューターネットワーク構築に係る予算について」はっきりと疑義を表明しており、それを議会の意思として明確にするために付帯決議案として提出しました。

決議に賛成したのは、自由民主クラブ、市民クラブ、公明党の3会派であり、その他の会派は反対でした。

付帯決議は可決されましたが、賛成多数でした。
つまり、「議会の総意として」とはいかず、「全会派が賛同して」決議されたわけではありませんでした。