提 案 書
− 町民活動サポートセンター活性化のために −

平成18年12月13日
愛川町長 山田登美夫 様


愛川町議会 会派みらい代表 熊坂 徹
近藤幸子


平成18年3月開設予定の町民活動サポートセンターが、真に町民のための施設として、誰からも愛され、より多くの人に利用されることを願い、会派みらいとして活性化のための提案をまとめました。

1.愛川町の現状について

文化やスポーツなどの生涯学習活動は盛んだが、NPOやボランティアなどの公益的活動については、徐々に機運は高まってきているもののまだこれからといった状況にあります。

そうした状況の中で、町民公益活動を支援するため、サポートセンターの設置が進められていますが、事業の実施に当たってはいくつか考慮すべき点があります。


2.考慮すべき点について

市民活動サポートセンターは、いわば「東京・横浜を中心にした都市文化」であり、全国的にも、設置している自治体はまだ政令市や中核市のレベルに止まっています。(政令市でも、さいたま市などはまだ検討の段階です)こうした都市文化をそのまま愛川町に導入してもうまく行きません。

*県内の状況について

14市1町で市民活動サポートセンターを設置しています。
横浜や川崎、あるいは藤沢や茅ヶ崎など市民活動が盛んな都市部のセンターでは利用率は高い。
しかし、厚木市、秦野市、綾瀬市、二宮町などのセンターは、議会でも利用者の低迷が指摘されるなど、必ずしも順調とは言いがたい。
(1日の利用者が5〜6人しかいないところもある⇒資料参照)

*センターの立地場所・条件について

厚木市(22万人) 厚木市旭町 勤労福祉センター内
秦野市(16万人) 秦野市寿町 秦野市青少年会館1F
綾瀬市(8万人) 綾瀬市 深谷 中央公民館内
二宮町(3万人) 二宮町二宮 駅前のビルの1F

・ 駅前のビルの1Fにある二宮町を除いて、いずれも単独ではなく複合施設である。
・ しかし、二宮町の場合、道路を挟んだ向かい側に「ITふれあい館」がある。
・ 秦野市はすぐ近くにジャスコがあり、場所的にも恵まれている。
・ 愛川町の場合は、役場庁舎の別館に開設の予定だが、町の人口規模や立地条件(鉄道の駅がない、調整区域の中)などを考え合わせると、さらに厳しい状況にある。


3.愛川町の地域性を活かしたサポートセンター

<ポイント>

@先進地のマネをして、あまり「公益活動」にこだわらないこと。
まず、何が違うか、本町の独自性(地域性)とは何か、それを考えること。

A本町の場合は、公益活動にこだわらず、スポーツや文化など生涯学習の分野も含めた幅広い町民の活動を支援するセンターとすること。
 はじめから公益活動を目指すのではなく、まず、生涯学習活動の裾野を広げ、それを公益的活動に結びつける方が、本町の現状に合っている。

Bそのためには、町民活動サポートセンターの設置目的に、町民公益活動と並んで生涯学習活動の支援をはっきりと位置づけること。


4.活性化へ向けた具体的な提案

○役場の組織について

町民活動を支援するため、役場の組織体制を強化する。
そのために新しく課を設置する必要はないが、少なくとも(仮称)町民活動推進室を設置するくらいの取り組みは必要だ。
*企画政策課がサポートセンターの立ち上げまでかかわるのはある意味仕方ないが、サポートセンターの事業担当課としては相応しくない。

自治基本条例ができて行政推進課が設置されたが、条例の趣旨からすれば、「行政」推進課ではなく、例えば「町民活動」推進課と言った名前にすべきであった。
今後、組織・機構を見直し・再編する場合には、せめて、「まちづくり推進課」のような名前にし、その中に(仮称)町民活動推進室を設置すること。


○協働のまちづくり推進のためのプロジェクトチームの設置

町民活動サポートセンターの事業を実りあるものにするためには、サポートセンターの運営委員会はもちろんのこと、NPOやボランティアなど町民との協働が不可欠である。行政内部においてもそのための体制づくりが必要である。そこで、庁内にプロジェクトチームを設置し、協働のまちづくり推進のための調査・研究を行い、併せてサポートセンターの事業を側面から支援する体制をつくること。

*プロジェクトチームの仕事について
町民活動サポートセンターの活用に関すること。
職員の意識改革(NPO研修など)に関すること。
職員向けの「協働マニュアル」の作成に関すること。
協働事例の調査に関すること。
協働のまちづくり推進施策に関すること。


○職員向けの「協働マニュアル」の作成

町民公益活動の推進のため、すでに町では、自治基本条例に基づき「町民公益活動促進のための基本的な考え方」と「町民公益活動促進のためのイメージプラン」を策定している。
しかし、これだけでは不十分である。指針に続いて、実践的な行動マニュアルをつくる必要がある。

*行動マニュアルの内容
・ 各課に協働推進員を置く
・ 職員に対して指導・助言できるサポート体制づくり
・ 協働型の事業提案の仕組みづくり
・ 町民活動支援のためのファンドを創設する
・ 町民活動団体との意見交換の場づくり
・ サポートセンターの活用


○協働事例の調査について

協働のまちづくりを推進するためには、これまで町が行ってきた協働事例について調査し、現状を把握する必要がある。


○協働事例の検証・評価について

協働事例の調査に続いて、その成果を検証・評価することも大切である。特に、これまでの協働のスタイルは(例えば、環境美化指導員やごみゼロなど)行政主導型が多く、地域への貢献は認められるものの、自主的・主体的な活動への参加(協働)という視点から、もう一度、事業のあり方について見直してみることも必要だ。(もちろん、時間はかかると思うが)


○行政評価に「協働のまちづくり」の視点を

事務事業評価に「協働のまちづくり」の視点を取り入れ、住民参加、市民協働が進んでいない事業をチェックすること。


○行政提案型の協働事業について

行政は申請させて審査して補助金を交付するだけ、という町民アイデアまちづくり事業の反省の上に立ち、真に協働のまちづくりを推進するため、行政の側からも協働事業の提案を行う。

*東京の世田谷区では早くから行政から市民へのアプローチがあったが、最近では、茅ヶ崎市や藤沢市においても市民提案と並んで行政の側からも協働事業の提案が積極的に行われている。


○町のホームページについて

サポートセンターの情報はもちろんのこと、協働のまちづくりに対する町の姿勢・考え方や具体的な取り組みなどについて、わかりやすく情報発信すること。


○来年度の町長と話すつどいのテーマに

毎年、各行政区において行われる「町長と話すつどい」で、「協働のまちづくり」と「町民活動サポートセンター」をテーマとして取り上げること。


○町民活動に関する実態調査を行う

愛づくりスクールの中でも、アンケートによる意向調査の提案やボランティア団体がどの程度いるのか町で受付し、把握する必要がある、といった意見も出された。(第3回 7/22)

実態調査を行うことにより、この町のことがわかってくる。
どこにどんな人がいるか?
どこの誰がどんなことをしたいと思っているか?
グループがあるだけじゃなくて、そのグループの中にどんな人がいるか、ここまで知らないと、コーディネートはできない。
(愛づくりスクール斉藤先生のことば)

*実態調査を行うに当たって
・ 行政提案型の協働事業として行う。
・ サポートセンターのスタッフにも協力してもらう。
・ アンケートと聞き取り調査をうまく組み合わせて実施する。
・ 各団体の活動の特質、課題、悩み、ニーズ調査など企業や行政に対する調査も併せて行う。
・ 行政各課にアンケートを実施、その結果をもとに、町民有志が各課とヒヤリングを行う。

*調査と言うと、いつも多額のお金を払ってコンサルタント会社に委託しているが現状である。この際、サポートセンターの開設を機会に、行政と町民との協働事業として実態調査を行うことはとても意義がある。


○町民活動支援ファンドの創設

来年3月、町民活動サポートセンターがスタートするが、財政的支援のしくみがない中での活動には自ずと限界がある。そこで、町民活動の支援を実効あるものにするため、町民や企業・団体等から資金を募集するとともに、町も財源へ拠出を行い、町民活動支援ファンドを創設する。


○町民活動サポートセンターにボランティアコーディネーターを配置する。


○ボランティア情報誌の発行


○住民参加の推進やNPOを活用した事業の研究に積極的に取り組むこと。


○シニアボランティア養成講座の継続的な開催


○シニア世代を対象としたシニアボランティア活動推進プログラムを開発する。


○町民アイデアまちづくりの見直しに取り組む

すでに県内の先進地などが実施している「相互提案型協働モデル事業」を参考にする。


<参考>

@なぜ、町民活動サポートセンターにおいて生涯学習活動の支援が必要なのか
(別紙)

A札幌市 協働事例百選(平成15年4月)
http://www.city.sapporo.jp/somu/gyokaku/hyakusen.htm

B協働の手引
静岡県では昨年度、協働の手引書を作成するワーキンググループを立ち上げ、
「事例から学ぶ協働ガイドブック―地域の課題をみんなで解決」を完成しま
した。この「協働ガイドブック」は静岡県NPO推進室のホームページからもダウンロードすることができます。
http://www.npo.pref.shizuoka.jp/new/200604kyodoguide.html

C仙台市 市役所職員向けの「仙台協働本〜協働を成功させる手引き」を発行
⇒仙台市のHPからダウンロードできる
http://www.city.sendai.jp/shimin/ti-shinkou/tebiki/index.html

D調布市市民活動支援センターは、ボランティアやNPOだけでなく、生涯学
習サークルなど「多様な市民活動」の支援を目的に設置された。

* 調布市生涯学習推進協議会の提言「生涯学習とまちづくりをすすめるボラン
ティア活動」では,調布市内にあるさまざまな施設や市民団体などが互いに
連携できるような総合的なしくみ(例えば,会議施設の共同利用や,事業の
共同開催など)を提言しています。センターはこの提言を受け,行政の垣根
を越えた,市民活動本意の機関を目指すものとします。

*調布市ボランティア・NPO支援センター開設準備協議会報告書
http://www.city.chofu.tokyo.jp/download/16310507851.pdf

E千歳市民活動交流センター(平成18年8月1日にオープン)

*生涯学習が地域づくりと結びつくためには、学習成果を身につけた人々が、ひとづくり、まちづくり活動に参画し、そうした人々のネットワークが地域社会の課題解決や活性化を図る原動力となり、市民や地域の活力向上のためにさまざまな領域で力強い推進基盤になると考えております。

*市民活動交流センターは、市民活動を行っている個人や団体、活動を行おう 
としている市民の相互交流を推進し、ネットワーク化を図るとともに、市民活動情報の収集や発信、学習機会の提供、さらには人づくり・まちづくりコーディネーターの養成など、活力基盤となる市民活動の支援拠点として位置づけております。

F県内市民活動サポートセンターの視察(別紙)