17年度決算:会派「みらい」の反対討論


会派、みらいを代表して、議案第78号 平成17年度一般会計決算について、反対の立場から討論を行います。

まず、数字的な部分について、少し述べてみたいと思います。決算額は、歳入が約130億円、歳出が120億円。実質収支は、9億5千万円で、実質収支比率は、何と11.4%です。

教科書的に言えば、「3%〜5%程度が望ましい」とされていますが、それをはるかにオーバーしています。理由は、簡単にいえば、町民税、特に法人町民税の伸びによるものです。北海道の「某市」に比べれば雲泥の差です。

地方債の残高、いわゆる町の借金ですが、この5年間で76億⇒66億と10億円も減っています。当然、公債費比率も9.9%⇒8.0%と1.9ポイントも減少。兄貴分の寒川町の借金が120億ですから、ほぼその半分です。

それだけではありません。基金などの積立金も28億あります。ちなみに、寒川14億 大磯12億 伊勢原11億 ですから、いかに本町の財政状況が素晴らしいか。

それから、3か年平均の財政力指数は、1.124となりました。人件費比率が28.3%と若干高いことを除けば、不安材料は特に見当たらないという優良団体であります。

もちろん、これには税制改正や景気の回復があってのことですが、財政に強い山田町長の存在、リーダーシップがあることも忘れてはいけないと思います。

しかし、財政は一体何のためにあるのでしょうか。
確かに、借金を減らし、貯金を増やすのは悪いことではありません。しかし、財政の目的を忘れて、それにこだわり過ぎるのは良くありません。今は低金利の時代です。
町債を発行しても、かってのように7%も8%も金利を払う必要はありません。いまなら、2%〜3%の金利で済みます。 

ある意味、活用のチャンスです。将来に向けた投資が必要であれば、慎重かつ大胆にそれに取り組むべきです。

財政は、当然のことながら、町民のしあわせのためにあります。借金を減らし、貯金を増やすことが自己目的となってはいけません。その意味で、愛川町の持つ財政力が十分活かされていないと感じています。なぜ、もっとその力を活用しないのか、私には理解できません。

将来への投資のポイント⇒それは少子高齢社会に対する備えです。とくに、いずれ確実にやってくる超高齢社会への備えです。これについては、誰も異論はないと思います。


その意味で、町道幣山下平線の建設は最悪です。事業の投資効果もさることながら、少子高齢社会への対策には全くなりません。ムダな公共事業の最たるものです。

新郷土資料館の建設も同様です。半原の繊維会館など既存施設の有効利用で十分対応可能なのに、わざわざ何億という税金を投入して新しい資料館を建設する必要は全くありません。しかも、すぐ隣りの相模原市には素晴らしい類似施設があるではないですか。

政策の優先順位からしたら、もっと緊急性が高いもの、必要性が高いものはいくらでもあります。

子育て支援、教育、高齢者や障害者の福祉、などなど、、、

将来のまちづくりを考えたら、まず何よりも、役場庁舎周辺の整備に早急に取り組むべきです。本格的な少子高齢社会が到来する前に、町の中核的な機能を強化すべきです。

具体的には、保健福祉に関する総合センターを建設し、その中に、地域包括支援センターや障害者支援センターを設置、一体的な保健福祉サービスが提供できる体制をつくる。また総合的病院の誘致も成功させて、地域医療の一層の充実強化を図る。

当面、このふたつだけは先行して整備し、役場庁舎を中心に交通ネットワークを整備すれば、それだけでかなり住み良い町になります。

そうした観点からすると、町の第4次総合計画 ゆめ愛川2010 は、すでに、時代に対応できなくなっています。例えば、庁舎周辺の整備、核づくりのページを見てください。ほとんど「もぬけの殻」、内容は皆無です。もちろん、個別計画などありません。
この変化の激しい時代に15年の計画は長すぎます。見直しのサイクル⇒5年ごとにすべきです。確か、海老名市では、前倒しで総合計画の見直しを行っていると聞きました。

決算に関する主要部分、いわば幹の部分についての意見は以上です。





さて、枝葉の部分でも、ヨコの連携や事業の効率、将来の可能性などを考えない、ある意味、単純素朴な事業が目立ちました。

以下、これから、個別の事業について、問題点を指摘しますが、決して、単なる批判や「あら捜し」をするつもりはありません。より良い事業とするための改革・改善へ向けた考え方と方向性だけはきちんと示すつもりです。町長をはじめ町理事者の皆様には、ぜひ、真摯に受け止めていただきたいと思います。


◆まず、議会費ですが、やはり、議長車は買うべきではなかったと思います。率先して行革に取り組むべき議会が、町民の皆さんに悪い見本を示すことになってしまいました。再度、いいます。運転手つきの議長専用車を走らせるなんて、もうそんな時代ではありません。町民感覚ともずれています。

◆次は、職員研修ですが、職員の電話対応について、まだまだ、自分の名前が言えない職員が多く見られる。電話交換手も、ただ、「愛川町役場です。」だけでなく、例えば、「お電話ありがとうございます。愛川町役場です。」の方がお客様に好感を持たれると思います。

◆次に、これは提案ですが、防犯・防災情報を町のHPへ掲載していただきたい。防災行政無線が聞き取れない人が多くいらっしゃいます。HPにはケイタイでもアクセス可能なので、多くの人に利用されると思います。
因みに、大磯町のHPには、防災行政無線にて放送した内容をわかりやすく掲載してあります。

◆もうひとつ、提案です。これは近藤議員が総括で提案しましたが、年度末の3月、4月上旬は、引っ越しシーズン。転勤や進学など住民異動が集中します。混雑緩和と平日に利用できない人のために、土日も窓口サービスを行っていただきたい。

◆さて、法律相談、顧問弁護士について、同じ人が、しかも、ノーチェックで、続けて10年以上もやるのはおかしいと思います。最適な人材確保という視点から、少なくとも、3年に一度くらいは、チェックする機会を設けるべきです。

横浜弁護士会の法律相談センターに申し込めば、1名につき3名まで、弁護士を紹介してくれるはずです。

老人ミニデイサービス事業ですが、いくら何らでもミニデイに870万もかけるのはかけ過ぎじゃないですか。利用登録者が85人ですから、一人当たり約10万円ですか。

ミニデイのほかに、町内には、ボランティアの人たちの「ふれあいサロン」が、すでに7つか8つ出来ていると思います。これからは、地域で支える福祉の時代です。

この春施行された改正介護保険法では、新たに地域密着型サービスが打ち出されました。町は、小規模多機能型の居宅介護や通所介護のサービス基盤をつくっていかなければなりません。そのためには、これからは社協委託のミニデイじゃなくて、地域の住民が主体となった「ふれあいサロン」をこそ町は支援し、それを地域福祉の新たな担い手として育成して行くべきと考えます。

ホームヘルパーの養成研修事業は、今年度から、選ばれた特定の人だけでなく、できるだけ多くの希望者にという私の提案を採用していただきました。それはそれで一歩前進なのですが、ヘルパーの研修が終了、2級の資格が取得できました、それでは、はい、サヨナラでは、町は何も得るものがありません。

資格を取得していただいたら、今度は、町が協力してもらう番です。折角お金を出したんですから、少なくとも、自分が今どんな活動しているのか簡単な報告をしてもらうべきです。町の方から、いちいち電話をかけて様子を聞いているようでは、失格です。年1回くらいは集まる機会を設けて、意見交換や情報交換を行うとか、町の福祉行政に積極的に活かすことも事業の実施と併せて考える必要があると思います。

敬老祝い金について、いま、町の制度では、77 歳の(喜寿)に始まり、80歳からはほぼ5歳刻みに支給されています。

しかし、平均寿命が伸び、人生80年が当たり前になった今日、いままでと同じ感覚で敬老祝い金を支給するのはいかがかと思います。近年は、厳しい財政状況の折、行革の視点から、支給対象者を見直したり、制度そのものを廃止する自治体も増えています。

家族介護者リフレッシュ事業は、在宅での介護から一時的に解放し、介護者の心身のリフレッシュを図る事業ですが、参加したのはたったの6人。なぜ、こんなにも少ないのか、理由ははっきりしています。参加したくても参加できないのです。

本当に、親身になって、家族介護者のリフレッシュを考えるなら、もう一歩踏み込んで、ヘルパーを派遣するとか、デイサービスの利用ができるようにしてあげるとか、介護から手が離せない人たちが、安心して参加できるようにサポートする必要があります。

レスパイトについてですが、重症心身障害児に対するレスパイト、一時療育支援は17年度に事業化されましたが、知的障害者、自閉症などの発達障害者、または医療ケアの必要としない身体障害者の方たちに対応できるレスパイトはまだ実現しておりません。本町と比べ、近隣市のサービスは遥かに充実しています。そのために他市へ引っ越した人もいます。早急に、改善を求めます。

子育て支援センター事業は、育児相談や情報の提供だけでなく、もっと積極的に、育児サークルの育成・支援にも力を入れて取り組んでいただきたい。

17年度にスタートした移動子育てサロンも同様です。もっと回数を増やして欲しいという要望があるそうですが、同時に、自主グループ化の支援も忘れないでいただきたい。

これは健康づくり課の事業ですが、生き生き健康体操でも自主グループがいくつか誕生し活動しています。単なるサービスの受け手から、一歩進んで、自らできることを行う、そうした自主グループの育成・支援も行政の重要な役割だと思います。

町民アイデアまちづくり事業は、見直すべき点が多々あります。採点方法もあまいです。50点満点で25点以上だとみんな合格。すくなくとも35点以上にすべき。他市はもっとハードルが高いです。市民協働の発想がないのも問題です。町⇒申請させて補助金を交付するだけ。町と市民の協働、コラボレーションの考え方がありません。

先ほどの質疑の中でも、「日本一寛大な予算ではないか」という問いに「これが愛川町の特色だ」という答弁があったが、行革の委員会で指摘されてもそう答えるのか。金額ではなく、中味の充実を考えるべきです。

教育開発センターが行っている自主研究グループの支援は、いままで1グループ2万円でやっていました。全体の事業費はたったの10万円です。最近は、一律2万円ではなくなったようですが、それにしても金額の差が大き過ぎます。

川崎市は、調査・研究事業も対象にしていますし、あるいは、発想を変えて、地域課題の調査・研究を市民に公募委託するのもいいかも知れません。

さて、まだまだ補助金について、言いたいことがあります。

任意団体の30周年記念事業に対する補助金は納得できません。

◆新町発足50周年記念のふるさとまつり負担金に匹敵する金額が地域活性化イベント・三増合戦まつり補助金として支出されています。

地域高齢者コミュニティ施設対する補助金、これも、特定の行政区に対するものであり、不公平な補助金の典型です。

◆1年振りに復活した商品券発行事業費補助金も前回の事業効果の検証が不十分です。

電動式生ごみ処理機購入補助金は、 貴重な電気エネルギーをつかって、生ごみを処理、堆肥化するのは不経済であり、エネルギー的にも採算が合わないことは明白。見えないところで温暖化を推進することにもなります。

特別養護老人ホーム等水道料金助成事業についてですが、すでに、介護保険制度の時代です。これまでのように、特養や老健を特別待遇する理由はありません。他のサービス提供事業者と同じです。名古屋市や横浜市は、すでに段階的に廃止の方向です。

特別養護老人ホーム運営費補助金、これも同様に補助金を支給する理由がありません。ある市の担当課長の議会答弁をここに引用すると、

「特別養護老人ホームにつきましては介護保険制度導入後介護報酬によって法人による自助努力、創意工夫をこらした自助努力による運営が可能のなっておりまして、サービス水準などにつきましても法人の自主的な取り組みによって運営されておるものと考えております。」

また、おかしな事に、これには老健は対象とされておりません。特養と同じように、水道料金は助成が行われても、運営費については、老健は対象外です。この点も不可解です。

◆次に、いきがい事業団への補助金ですが、毎年650万円の補助金がいきがい事業団に交付されています。

昨年、事業団の不正受給問題が新聞報道されたが、事件発生の原因究明は不十分で、最後まで曖昧なままだった。

しかも、不正受給の当事者からの逆請求がされ、それに対して、事業団は、36協定がないにもかかわらず、時間外・休日勤務手当てとして、73万円余を支払い、さらに、和解金として25万円を支払った。こんな結末は誰も予想しなかったし、決して納得できる解決法ではない。

町として2名も理事を出していながら、この有様である。事業団の運営がまったくチェックできていないと言わざるを得ない。

◆次は障害者雇用奨励補助金ですが、折角の制度も町外在住で町内企業に勤務する障害者は対象になりません。そのため、対象者はたったの3人。これでは制度が泣いています。厚木や海老名、座間市では市外の方も対象としています。本町も仲間に入るべきです。ちなみに、神奈川県は、障害者の雇用率が1.37%で全国ワーストワンです。


さて、この辺で、気分を変えて、2つほど評価できる事業をあげておきたいと思います。

◆ひとつは、一時保育事業についてです。これまでの緊急一時保育事業を拡大して、入院、通院、冠婚葬祭などに加え、保護者の育児疲れやリフレッシュのための利用もできるようになりました。また、利用料金もきめ細かく設定され、お母さん方には好評です。そのため、16年度と比較してぐんと利用者が増えました。

◆もうひとつは、学習活動サポーターの派遣についてです。小学校は、いままでの1名から2名に増員、中学校にも新たに1名が派遣され、教科指導の充実が図られました。


◆さて、中学校では、17年度から、業者弁当注文配送方式がスタートしました。しかし、結果はいまひとつの感があります。

これは、中学校給食検討委員会の答申を踏まえて行われることになった事業ですが、委員会では、当初、給食といいつつ、いつの間にか弁当になってしまったという経緯があります。

いろいろ事情はあるのでしょうが、そうした中途半端な検討の仕方をしたために、去年の町長選挙をはさんで、すぐまた検討委員会を立ち上げるはめになってしまいました。一体何のための検討委員会だったのでしょうか。

◆ところで、本町にとって交通問題は最重要課題のひとつです。しかし、だからと言って、総合交通計画のような大袈裟な計画を1000万円もかけて愛川町のような小さな町が作る必要はありません。そうした計画をつくっているのは、ほとんどが政令市や中核市です。

◆17年度には、また、「ありんこ中津作業所」の建て替え工事が行われました。一見、素敵な作業所ができあがったかのように思われますが、作業スペースが十分でなく、手狭で、使い勝手はあまりいいとは言えないようです。

それでなくても、建て替えるなら、単独施設ではなく、多機能の複合施設をと以前から申し上げてきました。そうすれば、町民活動サポートセンターにも利用ができ、旧消防庁舎は、あのようなお金をかけた改修の必要もなく、1階は、そのまま生きがい事業団の駐車場と作業所として利用することも可能だったと思います。

◆さて、審議会など委員の公募についてですが、公募しても応募者が少ないのは、自治基本条例をつくるときから「現状と課題」の中で認識されていました。しかし、それに対してどうしたらいいか、課題解決のための議論は行われないまま、条例がつくられてしまいました。条例がつくられても、そうした現状は何も変わらないのですから、公募してもそれに応募する人がいないのは当然です。もう一度、原点に返って考え直してみるべきです。

これに関しては、私もいくつか提案をしていますので、ぜひ、参考にしていただきたい。

◆次は、パブリックコメントですが、これも、また、時期早尚でした。意見を募集してもゼロが多いです。

ですから、自治基本条例の本文で規定しないで、もっと、本町の現状に合わせた取り組みが柔軟にできるように、つまり、われわれが議員提案したように、本文中には、別に定めると規定しておいた方が良かったと思います。

町村レベルでパブリックコメントを条例化しているところはごくわずかですし、厚木市や相模原市もパブリックコメントは実施していますが、要綱のレベルで、パブリックコメントの条例はありません。

◆さて、各種計画・プランの策定についてですが、とにかく、委託料が高すぎます。毎年、1000万円以上のお金が計画づくりのために使われています。これまでにかかったお金は、この数年で1億円を超えています。

しかも、プラン策定のノウハウはコンサルに蓄積されるだけで、町には蓄積されません。その上、できあがった計画も数年で改定、これでは町はコンサルの「いいカモ」です。

この夏、私が視察した福島県の市町村は、財政が厳しいこともあり、ほとんどが職員の手づくりです。ある町の部長さんは言っていました。

コンサルへ委託したいが、議会のチェックが厳しい。予算に委託料を計上すると、すかさず議会から「この金は何だ!」「なぜ、自前でできないのか?」と言われてしまう。町長も委託料に関しては予算計上を基本的に認めない方針。(仕方ないので)各種計画やプランの策定は職員が手づくりで行っている。

*ここで、行政視察で入手した各市町村の手づくりの計画を紹介する。

わが会派の近藤議員が総括質疑で指摘したように、これは愛川町だけの問題ではありません。県の町村会や自総研など県のシンクタンクにも協力を要請し、町村の職員が自前で計画づくりができるよう研修プログラムやノウハウの開発に取り組むべきです。

◆さて、ここで入札制度について触れておきます。

低入札価格調査制度の現状
低入札となった件数と平均落札率(500万円以上の工事)

H.14  48件   80.0%
H.15  32件   80.4%
H.16  14件   89.3%
H.17   3件   94.7% 

かって市民オンブズマンは、「落札率が 95%以上だったら談合の疑いが強い」と言っていたが、最近では、考え方を変え、90% 以上に変更している。

その意味で、本町の94.7%という落札率は、かなり危険な状態であると言っていい。この際、制限つきの一般競争入札、工事希望型でもいいが、何らかの対策を早急に立てる必要があります。競争原理を強化すれば落札率が下がることははっきりしている。

また、今年になって談合情報が寄せられたとも聞いています。しかし、町の対応は、業者を呼んでやったかどうか聞くだけ。やらなかったと言ったら、それで終わり。こんなやり方をしていたら、誰だって、誘惑に駆られると思います。いまのチェック体制はほとんど「ざる水」状態、事実上の「野放し状態」です。

談合対策は、談合が行われにくい仕組みを作るしかありません。そのためにも談合の温床と言われる指名競争入札はこの辺でお蔵入りにしていただきたい。

国も一般競争入札を導入しろと言っているし、また、一般競争入札(制限つき)を導入しないんだったら、高いお金をかけて電子入札にする意味がありません。





◆最後に、行政評価制度について少し問題点を指摘しておきます。

実は、平成15年の9月議会、私は、NPM(ニュー・パブリックマネジメント)、新しい公共経営を取り上げ、そのとき行政評価について触れています。

 NPMとは、民間企業の経営の考え方や手法を自治体にも導入し、非効率の典型であるお役所仕事を改め、経営の革新を図ろうというものです。

そのポイントは4つあって、

1つは住民サービスにおける顧客主義。
2つ目には行政評価による成果主義。
3つ目には現場への権限委譲による組織のフラット化。
4つ目には民営化や民間資金の活用による市場原理の導入です。

つまり、行政評価というのはその中の1つのパートなんです。私が疑問に思ったことは、その中の1つだけつまみ食いして、果たしてうまくいくかどうかということです。NPMの考え方からすれば、顧客主義で、当然、組織もフラットでなければいけないわけです。

ところが、本町の組織はフラットではありません。なぜ、フラットでなくちゃいけないか。その理由は、成果主義で行くわけですから、自分の努力と工夫で成果を上げやすい組織にしないといけない、現場に権限を下ろして、現場で意思決定ができるようにする、そのかわり、自分のやった仕事に対しては、業績や成果を厳しくチェックされる、こういった仕組みがないとうまく行かない、だから、役場の中で分権を行って、組織をフラットにする必要があるんですね。まず、これができていない。

それから、本町の行政評価は予算に連動させるんですね。ところが、自治体の予算というのはいろんな縛りがあって、なかなか思うようにならない。つまり、自由度がないんですね。ところが、自由に使えない予算では、業績評価は十分にできません。

NPMの本家のイギリスでは、グローバル予算で、使い道がかなり自由なんですね。自由に使っていいから成果を上げろという考え方です。

ところが、本町の予算はグローバル予算(枠配分予算)ではありません。自由に使ったら怒られる。愛川町予算決算会計規則というのがあつて、それに違反したらいけない。というわけで、予算も成果主義タイプじゃないと。

だから、私はあえて「つまみ喰い」と言ったのです。町のやり方はとても都合のいいやり方なんです。自分は安全地帯にいて、行政評価に取り組んでいますという顔しています。でも、本当は違うんです。そういう町の考え方、やり方を根本から変えないと、本物の行政評価はできないんです。本気でやろうとしたら、町長だって、こんな平和な顔はしていないと思います。


ところで、行政評価については、もうひとつ大きな問題があります。といっても、今度は、われわれ議会の側に、です。

どんな問題かといえば、議会は執行機関である行政の監視機関、チェック機関です。執行機関である町が行う行政評価について、議会はどう関わるのか、チェック機関としての議会はどう関わったらいいかという問題です。

いま、行っている決算審査にしても、行政評価と深い関わりがあります。決算審査というのは、ある意味、議会が行う行政評価だといってもいいかも知れません。

いままで行政評価は議会の専売特許でした。ところが、いつの間にかそれを行政が自分で始めたのです。自分で行った事業を自分でチェックし、評価するようになってきました。当面、議会には事後報告だけです。

さて、では、われわれ議会は、それに対してどうすればいいのか、もう、のんびり構えている暇はありません。いま本当に問われているのは町行政ではなく、チェック機関としての議会のあり方です。





さて、私の討論も最終コーナーになりました。

平成17年3月議会における反対討論の最後で、私は、こう言いました。

「ところで、お隣の相模原市と津久井4町は、合併をめぐって揺れに揺れています。まさか、対岸の火事だなんて、そんなふうに、思っている人はいらっしゃらないと思いますが、いずれ、この合併劇が一段落した暁には、本町にも火の粉が飛んでくることは間違いありません.」

「そうした状況の中で、これからどんな町づくりをしていくのか、議会も行政も町民のみなさんも、一緒になって、真剣にその議論をするときがすでに来ています。」と。

それから、1年半が経過し、愛川町をめぐる状況は、まさにそうした方向に向かって急速に動いています。

過日、私は、県の市町村合併推進審議会を傍聴しました。一部新聞報道されたように、審議会の基本的なスタンスは、明白です。「今後の期待される市町村像」に示されているように、「県内すべての市町村が人口30万以上で中核市相当の権限を持つ粒のそろった都市を目指すべきだ」というのがそれです。

もし、この通り最終答申が行われ、それが県の合併構想に位置づけられたならば、本町としてもいずれ何らかの決断を迫られることになります。

そのためにも、合併の是非はさておき、まず、(仮称)本町の将来都市ビジョン研究会のようなものを立ち上げ、幅広い視点から、本町のあり方について調査・研究を行う必要があると思います。

このまま座して時代の荒波に呑み込まれないためにも、事前の備えが必要であると申し上げて会派「みらい」の反対討論といたします。