議員各位


予算審議のあり方について




平成17年3月11日      
愛川町議会議員  熊 坂 徹



3月7日と8日にかけて行われた3月定例議会の総括質疑は疲労感のみが強く残りました。なぜなら、議員も理事者も一生懸命努力し、十分時間をかけて議論した割には、実りあるものではなかったと感じられる点があったからです。

確かに、答弁が長すぎるのも問題です。緊張感が失われ、集中力を欠くことになります。議員の側にもいくつか問題はありました。

しかし、そうした個々の問題もありますが、それ以上に、本会議における審議のあり方(総括質疑)そのものに問題があるのではないでしょうか。

そこで、予算審議のあり方を考える議論のたたき台として、日頃考えていることをいくつか提案したいと思います。そして、より一層民主的で効率的な議会を目指し、活発な議論が展開されることを期待します。

さて、本町の議会はこれまで本会議中心主義をとってきましたが、陳情や当初予算の審議については委員会に付託して行うことが慣例になっています。本町のような比較的少人数の議会では、この方式が合理的で、より民意が反映できるやり方だと思います。

しかし、3月議会における審議の仕方については、あまり効率的とは言えず、いろいろ問題が多いと感じています。その最大の原因は、本会議と委員会の区別(役割り分担)が明確でなく、審議の内容(範囲・レベル)に関して、統一的な考え方やルールがないことにあります。そのため、何をどこまで本会議で審議すべきか、その考え方や基準が各議員によって異なり、全体としての流れがチグハグで、集中度を欠くという結果になっています。

そこで、本会議と委員会の役割りを整理して、一定のルールを設ける必要があります。


<基本的な考え方>

本会議の質疑は「総括的」に行い、個々の事業の内容など、細かい点については委員会で審議する。


<本会議>

3月議会では、予算や条例などを委員会に付託して審議してもらえるので、それをふまえて、本会議では、もう少し広い視点に立った審議を行う必要があると思います。委員会(特別委員会も含む)に付託する前に、総括的な視点から、各会派の代表質問を行っている議会も多いと聞きます。

ここでは代表質問の是非は置くとして、今後、本会議の総括質疑は、個々の事業やその内容といった点についてではなく、予算全体について、あるいは、歳入や歳出といった財政運営の視点や防犯、福祉、教育といったもう少し大きな括りの中で議論すべきであると考えます。

<委員会>

全員参加の本会議と異なり、少人数で、一歩踏み込んだ議論、審議ができるのが委員会の良さです。

ところが、現状は、本会議とほぼ同じ様な運営が行われています。事前通告制で、委員一人当たりの持ち時間が決められ、一人ずつ順番に質疑が行われます。その間、他の委員は発言ができません。

これでは、審議の流れが各委員のところで寸断され、審議は深まりません。委員会のメリットを活かすためには、本会議に準じた今のやり方を変える必要があります。

そこで、事前通告制と持ち時間制はやめ、予算や条例も陳情の審査と同じやり方で行うべきであると考えます。



<参考1>

議員必携 委員会における審査(調査) (4)質疑

説明が終われば、委員長の質疑宣告で、質疑のある者は委員長の発言許可を得て質疑を行う。この質疑は、本会議における質疑のように、同一議題について3回(標規55)とか、自己の意見を加えてはならない(標規54)というような規制はないので納得がいくまで何回でも質疑できるし、また、自己の意見を述べることもできる。しかし、委員会で発言の方法を別に決めたときは、それに従わなければならない。



<参考2>

予算審議については、厚木市議会の委員会運営方法が参考になる。

@審議する範囲を限定する
事業担当課(所管)ごとに区切って行う
メリット:他の課の職員は出席しなくて済む

A発言時間は特に制限しない。
質問者と答弁者はできるだけ簡潔な発言を心がける

B発言の仕方
1回にできる発言は3項目3回以内とする
もし、不十分であれば、次回に再度同じ項目について質疑することもできる

C発言を求める委員がいなくなったら、次の事業担当課(所管)に移る
これを付託された議案が終わるまで繰り返す


* 事業担当課(所管)ごとではなく、予算書のページごとに行う大和市議会のようなやり方もある。

* 厚木市議会のやり方だけでなく、もっと他市の委員会審議の方法について調査する必要がある。そして、その中から本町に一番合った方法を採用するのがいいと思う。



<参考3> 本会議開催のコスト

議員として、十分審議を尽くすことはもちろんですが、一方、議会を開くためにかかっているコストについても認識しておく必要があると思います。

そこで、極めてラフな計算ですが、本会議を開催するためにかかるコストを試算してみました。



* 試算の方法

理事者側の出席者を町長以下20人とし、
年間の給与総額を一律に平均 1000万円 とする。( 総額 = 2億円 )
年間の労働日数を260日とし、1日当たりの額を計算すると約78万円となる。

1000万円 × 20人 = 2億円
2億円 × 1/260 = 78万円 − @

15年度決算における議員報酬は 約1.2億円 である。
本会議の開催は年間20回程度である。

そこで、議員報酬に占める本会議のウェートを 1/5 と仮定すると、
本会議開催のための費用は年間2400万円となり、1回当たりの額は120万円となる。

1.2億円 × 1/5 = 2400万円
2400万円 ÷ 20回 = 120万円 − A

また、議会をサポートする議会事務局の職員給与もカウントする必要がある。

議会事務局の職員給与については年間4500万円ほどであり、職員給与に占める本会議のウェートを 1/10 と仮定すると、本会議開催のための費用は年間450万円となり、1回当たりの額は約22万円ほどである。

4500万円 × 1/10 = 450万円
450万円 ÷ 20回 = 22.5万円 − B

@とAとBを合計すると、本会議を開催するためにかかるコストは、1回当たり、約220万円となる。

    78万円+22.5万円+120万円=220.5万円