9月7日 神奈川新聞

シティーマネジャー導入検討を指示
総務相 首長は政策に比重

 麻生太郎総務相は6日までに、自治体の首長を補佐する副知事・助役制度を見直し、政策を執行する責任者として権限を強化するとともに、自治体が民間から企業経営の経験者らを採用、行政運営を全面的に任せる「シティーマネジャー」制度の導入を検討するよう事務当局に指示した。

 見直しにより知事ら首長の役割は政策づくりに、より比重が置かれることになる。多様な制度の一環として副知事や助役に代わってシティーマネジャーを置くことも可能にし、併せて会計事務を担当する出納長・収入役は廃止する方向で検討を進める方針だ。

 厳しい財政状況の下で各自治体とも行財政改革が迫られる一方、地方分権や市町村合併の進展を背景に、地域間競争も激化していることから自治体の経営能力をアップさせるのが狙い。

地方制度審査会(首相の諮問機関)も10月から検討を本格化させる予定で、地方自治法改正を視野に作業を進める。同法は、副知事や助役は原則的に各自治体に一人ずつ置くように定め、職務も@首長の補佐A職員の事務の監督B首長の職務代理ーと規定。

これを名称や定数は自治体の裁量に全面的に任せる。職務については政策を策定する首長に対して、実際に政策を執行する上での責任者と位置づける。首長の公約や議会の決定を効率よく行うための方策を考え、実行に移す役割りを担う。

外部から招くシティーマネジャーも同様で、首長や議会から委任を受けて、政策を執行。米国などの自治体ですでに導入されているように、結果が伴わない場合は解任されるなど実効性のある制度を目指す。

出納長と収入役は、公金を扱うことから特別職として独立した地位を与えられてきたが、住民の監視も強まり、存在意義が薄れてきている。

すでに町村では収入役を首長や助役が兼務することが認められており、10月からは10万人未満の市も無おかないことが認められる。


◆シティーマネジャー制度
民間の専門家が、首長や議会が決めた政策の実施、自治体の運営を請け負う仕組み。多様な地方自治の形態のひとつとして米国などで採用されており、行政のプロとして自治体を渡り歩く例もある。
日本では埼玉県志木市が構造改革特区構想として議員の中から市長に代わる「シティーマネジャー」を選出する制度の導入を求めたが、首長は住民による直接選挙が必要と定めた憲法に抵触する恐れがあるとして実施は見送られた。