議員定数について

いま、愛川町議会では議員定数を何人にすべきか検討が行われています。
これまでの経緯を簡単に説明しますと、議員選挙を直前に控えた昨年の8月、議員が多すぎるという町民の声が強いことから、急遽、臨時議会を開いて、定数を1名削減しました。
今年の1月、議員不祥事によって2名が辞職、そのため現在は2名欠員の17名で議会運営が行われています。
そうした状況の中で、3月議会には議員定数を削減して16名とする陳情が出されました。陳情は総務常任委員会に付託されましたが、目下、継続審議になっています。
同時に、新しいメンバーで構成された議会改革検討委員会でも議員定数について議論を重ねていて、次回8月24日に開かれる検討委員会で一歩踏み込んだ議論をすることになっています。
そこで、私は、議員定数についての考え方(私見)を議長宛てに提出しました。事前に考えを提出することによって、より一層議論が深まれば幸いです。


<添付資料>

@非合併の矢祭町 コスト削減し独立独歩 (茨城新聞)
A相次ぐ議員定数削減 22議会で計50議席 (朝日新聞山形版)
B岩美町議会 議員定数18から12に(読売新聞鳥取支局)
C自治に吹く風(16) 議員定数か報酬か(高知新聞)
D分権時代の選択 03統一地方選を前に <1>議員定数 (読売新聞静岡支局)
E加速する議員削減 来春には法定数の64%(四国新聞)
F議員定数削減案が可決 秦野市議会が現行28人を2名減の26人に(タウンニュース)
G合併破たん、財政難理由に定数大幅減 羽生市議会(埼玉新聞)
H岩手県議会 県行政に関する基本的な計画の議決に関する条例


議員定数について
愛川町議会議長  林  茂  殿
平成16年8月12日
愛川町議会議員 熊 坂 徹

議員定数についての私見を申し上げます。また、議会改革検討委員会ではそれに関連する事項として、政務調査費並びに議員報酬についても併せて検討されていることから、この3つの項目について申し上げます。

<結論>

1.議員定数は、現在の定数19人を3人減らして16人とする。
2.政務調査費は支給しない。
3.議員報酬はアップする。


<考え方>

1.議員定数について

@ 自治基本条例の制定により情報公開と住民参加がすすむと、直接住民の意見が行政に反映されるようになります。当然、住民意見の代弁者である議員の数も少なくて済むはずです。
A議員定数の思い切った削減で、議会の少数精鋭化、議員のプロフェッショナル化をはかる。
*福島県矢祭町は合併をしない宣言をして有名になりましたが、それを受けて議会は議員定数を18人から一挙に10人に削減する条例を可決した。(資料@)
B同時に、住民参加を大胆かつ積極的に取り入れた議会のあり方についての研究が急務。(1)

<注>
(1)協働時代の議会の役割 ー市民参加か議会かという二者択一を超える手法ー 月間地方財務2004年6月号


2.政務調査費について

政務調査費については「第二の報酬」ではないかという批判が根強くある。
なぜかと言えば、会派や議員個人(一人会派)に支給され会計が不明朗な点と、もうひとつは、収支の報告はあってもその成果の報告がないから。
もともと議会(議員)活動そのものが広い意味での政務調査活動である。
この際、議会としての政務調査力をアップさせる方策を考えるべきである。

*一例として、各常任委員会の所管事務調査の充実・強化があげられる。
各委員会でテーマを決めて取り組み、現状・実態の調査および課題の整理、そして対応策を報告書にまとめ、それを本会議で報告することがポイント。
*常任委員会に関することではないが、埼玉県議会は、これまで県執行部の説明を受けるのが中心で、存在感が薄かった特別委員会を活性化するため、すべての特別委員会が政策提言を行うことを申し合わせた。


3.議員報酬について

議員報酬については大きくわけて考え方はふたつあると思う。
1.ボランティア型(実費支給)
2.専門職型(生活の保障)

地方議員は、戦前はいわば名誉職であって無報酬に近かった。
戦後、自治体の規模などに応じて報酬(期末手当も)が支給されるようになったが、その活動の実態は非常勤特別職でいまだ名誉職的要素も強く残っている。
つまり、現状は1と2の中間的な位置にある。(中止半端な面が目立つ傾向あり)
地方分権の進展により、これからの議会に強く求められるのはチェック機能の強化とともに、政策や条例の提案である。
本議会が時代の要請に応えていくためには、行政の仕事やしくみについて広く深い見識を有し、政策や条例の提案ができるような議員が輩出するための環境整備が必要である。
ところがそれに対して現在の議員報酬は十分魅力あるものになっていない。そこで専門職型の議員を目指すとともに、議員報酬についてもアップする方向で考えていくべきである。


<まとめと提案>

議員定数の削減により新たな財源が生まれるが、その財源の活用法について以下簡単に述べる。

@削減額の半分(1/2)は、町の一般会計に繰り入れ、町民福祉向上のための財源とする。
A残りの半分の1/2(=削減額の1/4)は、議会の調査・研究活動のための費用にあてる。
ただし、政務調査費という形ではなく、所管事務調査など委員会の活動経費とする。
B最後に残った(=削減額の1/4)は、議員報酬のアップにあてる。

*削減額については、去年削減した1人分を含め4人分の議員報酬にあたる年間約2400万を削減額として考える。

この考え方によれば、議員報酬は、600÷16=37.5万円/1人当り(6.25%)のアップとなる。
ただし、報酬のアップは無条件ではなく、議会活動の10%アップを条件とする。

*議会活動の10%アップについては、具体的なプログラムを作成して、それを実行することにより、確実なものにすることが肝要である。
*各常任委員会の所管事務調査の充実・強化もこのプログラムに含まれる。
*報酬アップの前にそのプログラムを作成し公表する。
*今後の課題として
@議決権の範囲の拡大。(地方自治法96条第2項)
基本構想だけでなく、基本計画も議決案件とする条例を早急に制定する。
*参考 岩手県議会 県行政に関する基本的な計画の議決に関する条例(資料H)
A町が進めている行政評価制度の導入に合わせて、議会としてそれをチェックするしくみを構築する。

尚、執行機関が行っている事務事業評価(第三者機関による)を議会活動のチェックに取り入れることも検討する必要がある。

以上。


<添付資料>

@非合併の矢祭町 コスト削減し独立独歩 (茨城新聞)
A相次ぐ議員定数削減 22議会で計50議席 (朝日新聞山形版)
B岩美町議会 議員定数18から12に(読売新聞鳥取支局)
C自治に吹く風(16) 議員定数か報酬か(高知新聞)
D分権時代の選択 03統一地方選を前に <1>議員定数 (読売新聞静岡支局)
E加速する議員削減 来春には法定数の64%(四国新聞)
F議員定数削減案が可決 秦野市議会が現行28人を2名減の26人に(タウンニュース)
G合併破たん、財政難理由に定数大幅減 羽生市議会(埼玉新聞)
H岩手県議会 県行政に関する基本的な計画の議決に関する条例


(2002年11月18日付 茨城新聞)
非合併の矢祭町 コスト削減し独立独歩

 大子町と里美村に接する人口約七千人の町・福島県矢祭町。東は阿武隈山系、西は八溝山系が連なり分水れいをなす過疎の町に、視察者が引きも切らず続いている。

 同町の議会は昨年十月、市町村合併をしない宣言を全国で初めて可決した。小さな村の”反乱”は全国に波紋を広げ、宣言以来、自治体の視察は既に二百団体を超えた。

 矢祭町は一九五三年の町村合併促進法の施行で隣接三村が合併して発足。今回の宣言はこの時の混乱が生み出した。賛成、反対で、「子どもたちも巻き込んで血の雨が降らんばかりに激昂(こう)し、親せき同士でさえも離反するような事態となった。しこりは四十年たった今も完全に解消されていない」。根本良一町長は当時の後遺症が今なお消えない現状を説明する。

 「同じ轍(てつ)を踏まない」という、いわば合併アレルギーとともに、宣言の背景には町の地理的要因がある。矢祭町を含む東白川郡三町一村は県の最南端。「たとえどこと合併しても中心にはなり得ず、周辺部になることは間違いない」(根本町長)

 宣言に慌てた総務省は昨年十一月、「合併で行政コストを減らせば増税せずに住民サービスが維持できる」と説得したが、根本町長は「大きくなってもサービスが薄くなるだけ」と真っ向から反論した。

 「合併そのものを否定するものではない。うちの町は合併を前提にして町づくりを進めてきたわけではなく、財政が厳しい中でも独立独歩でやってきた」と町長。その表情には自信さえのぞかせる。

 こうした町の姿勢は「大子町の方が付き合いやすく、住民生活を考えれば県内で合併する必要はない」(農業男性)など、町民におおむね好評だ。だが、自立を維持するには財源の確保が壁となる。二〇〇〇年度の歳入約四十三億五千万円のうち、町税など自主財源は三割に満たない。

 一部上場企業の工場を誘致し、花卉(き)栽培農家も育っているとはいえ、かつて盛んだった林業やコンニャク栽培は衰退し、出生率は年間五十人に落ち込むなど過疎も進む一方だ。

 「基本的なインフラ整備もほぼ終わり、公債費の比率も二〇〇六年度には14・3%まで下がる。財政運用上は交付税が切り下げられても、行革で町民に今以上の負担を強いることはない」と町長は胸を張る。

 それを裏付けるように、今年七月の臨時議会では町議会の定数を現在の一八から一気に一〇とする条例案を可決。議員報酬の削減効果は四年間で一億二千万円。職員数も定数削減で、矢祭町より人口が二千六百人少ない隣接村と比べて少ないほど。いずれも、地方交付税の見直しなどが進む中で、合併を回避しながら独自の財源を確保するのが狙いだ。

 合併特例法の期限切れ(二〇〇五年三月)をにらみ、合併の流れが加速する中で、自治体に共通する悩みと格闘しながら非合併を貫く同町の今後を、全国の小規模自治体が見つめている。

 矢祭町 福島県の最南部に位置し、本県と県境を接する人口約7千人の過疎の町。1953年の町村合併促進法の施行を機に隣り合う3村が合併して出来上がったが、その際に混乱が続いたことを理由に昨年10月、町議会が全国で初めて「合併しない宣言」を可決。町議会の議員定数18を一気に半数近い10に減らして財源確保に取り組むなど、近隣町村と合併せず独自の町政を展開する方針を貫いている。

企画特集 [03統一選] (2003年5月26日 朝日新聞山形版)
相次ぐ議員定数削減 22議会で計50議席

  4月の統一地方選に向け、県内でも議員定数を削減する動きが相次いだ。統一選で選挙のある県議会と22市町村議会のうち、過半数の14議会が議席を減らす。

  統一選以降に改選される議会を含めると、計22議会で50議席が減る。自治体の財政難などが背景にあるが、「少数意見が反映されなくなる」という懸念も出てきた。

  朝日新聞が県内市町村議会を対象に行ったアンケート結果などをまとめた。

  統一選で定数を減らすのは、県議会▽山形市や鶴岡市など6市議会▽西川町や朝日町など7町村議会。また、それ以降に改選される市町村議会でも、8議会がすでに定数削減を決めた。全市町村議会の3月現在の合計定数889のうち約5%の47議席が削られる。

  99年成立の改正地方自治法(今年1月施行)では、議会の定数は各自治体が条例で決める。財政難の中で、定数削減による経費節減をアピールする議会が目立ち、削減が一気に進んだ。

  県議会では、削減数を巡って会派間が対立したが、「議長あっせん」の結果、初めて議会みずから定数を減らした。

  最も多い4人削減を決めた鶴岡市では、専門家から意見を聞いた。白鷹町では、町の区長会の代表との話し合いや町民アンケートで意見を聴き、「議員みずから行財政改革を進める時だ」と2議席削減を決めた。

  寒河江市議会は昨年9月、定数24維持を決めたが、今月になって一転、3議席削減を決めた。

  99年にも議席を削減した市町村議会が多く、寒河江市や上山市のように2期連続の削減になる議会もある。このため今回は、「少数意見が反映されにくくなる」との反対意見が出て、全会一致にならなかったケースも少なくない。
  
「無投票イヤ」3減 寒河江

  正月。寒河江市議会の佐竹敬一議員は、市議選の立候補予定者一覧表を眺めながら思った。

  「候補者がたりない」

  定数24に対し、一般に立候補が予想されていたのは23人。このままだと4月の選挙では全員が無投票当選し、最初から欠員1の議会が発足する。「選挙がなくて楽ですね」と支持者から言われた。定数を減らそうと決意したのはこの時だ。

  議会では昨年9月に24の定数維持を決めたばかりだが、佐竹議員は、過半数の15議員を擁する最大会派「緑政会」の会長だ。同会は3月定例会に、定数3減案を提出した。無投票を避けるために議席を減らすという奇策だが、「少数精鋭で密度の高い議論ができる」「不況のなか議会のスリム化も必要」と訴えた。

  ほかの2会派(共産党、社民党)にとっては死活問題だった。両会派とも所属議員は3人。会派登録の最低人数も3人のため、一人でも減れば会派として存続できない。政策論争がますます冷え込むおそれもある。

  両会派は「軽々しく変えるものではない」「意味なく減らせば議会はめちゃめちゃになる」と抵抗したが、可決された。

  「自分たちの都合だけで、有権者のことを考えてない」。一連の経緯を批判する男性は、4月の同市議選に立候補することを決めた。立候補予定者数は現在25人。新定数では4人が落選する。


(2003年 5月20日 読売新聞鳥取支局)
岩美町議会 議員定数18から12に

全協 大幅削減 来月提案
 鳥取市などと合併せず、単独存続を打ち出している岩美町の町議会は十九日、全員協議会(岡野正春委員長)を開き、議員定数を現行の一八から一二へ大幅削減することを決めた。六月議会に定数条例改正案を議員提案する。二〇〇六年七月の次回町議選から実施される見込みで、定数の三分の一にものぼる削減は、県内では例がなく、議員報酬や共済費など年間約二千四百万円が削減される。

 同町は昨年十二月に鳥取市などと合併せず、単独存続を決定。町議会では町の厳しい財政状況を考え、同月から「議会改革調査特別委員会」を設けて、削減数などについての協議を続けてきた。

 十八議員全員が出席した全員協議会は、非公開で行われ、「定数削減を前提とした議論ではなく、議会改革を優先すべき」、「大幅削減をするには時期尚早」などの反対意見も出たというが、委員長を除く十七議員で六減案を採決したところ、賛成が十三人を占め、削減案提案を決めた。

 協議会後の記者会見で、岡野委員長は、定数一二に削減した理由として▽昭和の大合併時に九町村が合併した同町で、地区の意見を行政に反映し、行政をチェックするために最低限必要な人数▽単独存続の説明会を各地で開いたとき、町民から定数削減を求める意見が多かった――などを挙げた。削減後は、総務、教育・厚生、産業・建設の三常任委員会も二つに再編することも明らかにした。

 同町議会は昨年七月の町議選の際にも定数を二〇から一八に削減しており、榎本武利町長は「財政事情などを十分に考慮して、議論を重ねた上での結論だと受け止めている。議員数が減少しても、よりよい町を目指して協力していきたい」と話した。

 同町の人口は約一万四千人だが、定数一二は、人口三千人規模の福部村(一二)や泊村(一一)などと同じとなる。

 県市町村振興課によると、六議席の大幅削減は記録の残る一九八三年以来、県内の市町村で例がなく「今後、ほかの合併協議会や単独存続を決めた自治体などにも影響を与えるのでは」としている。


「自治に吹く風」

     =第2部= 市町村議会ってG

 【16】
 議員定数か 報酬か   経費節減 佐賀町議会

佐賀町議会3月定例会の一般質問風景。4月の議員選からは議員定数が2減って12となる  「14人も議員はいらんというのが町民の本音。人口が減り、地方交付税も下がっちゅう。2人減らして年間600万円浮くなら、英断すべきだ」

 「議員は町民の代表。議会は行政のチェック機関。議員を減らせば、町民の声が十分に町政に届かんなる」

 1月15日と28日に開かれた幡多郡佐賀町議員協議会。「議員定数を14から2減らそう」と訴える“定数削減派”と、「減らす2人分に相当する議員報酬14%を削減すればいい」と主張する“報酬削減派”が対立した。


 減らすべきは定数? それとも報酬?

    ◇

 同町議会は、6年に議員定数を16から14に減らしている。その後、町が銀行に対して行った損失補償により、町内の水産加工会社が借り入れた約3億円の肩代わりを町が実行。厳しい町財政に追い打ちをかける事態となり、「議会も経費節減に努力しよう」との声が議員間で高まった。

 昨年の9月定例会に、定数を2減する案が提出されたが否決。12月定例会では、同じ案が再度提出されるとともに、“対案”として報酬14%削減案も出た。

 定数派と報酬派の本格論争が始まった。この時は折り合いがつかず、両案はいったん取り下げられ、一本化を目指したが…。

 両派譲らず

 論点は「議員経費をどちらの方法で節減するか」。町民が議員に対してどんな役割を求めているかで、それぞれの考え方が激しくぶつかり合った。

 「なぜ改選(4月27日投開票)を控えた時期に定数を減らすのか。合併を前に定数減は町益にならない」「人口規模の似た市町村と比べて佐賀町の定数は多くない」と報酬派。

 これに対し、定数派は「市町村合併で、その次の選挙はないかもしれない。議会として今やれることを優先すべきだ。報酬削減は後でもできる」「報酬を減らせば、若い人が生活を考えて出馬しにくくなる」と応じる。

 かんかんがくがく、議論百出。両派譲らず、2月7日の臨時議会には結局、相反する2案が再び提出された。

 会期延長の末、19日の本会議に両案とも付議され、定数削減案を9対4の賛成多数で可決、削減幅を14%から半分の7%に修正した報酬削減案も全会一致で可決した。都合3人分の議員経費節減が決まった。

 求められる議員像

 住民が考える議会の在り方はさまざまだ。議員を各地域、階層の声を代弁する住民代表と考えるなら人数は多い方がいいし、政策立案のプロ集団を求めるなら報酬は高く―というように。

 当の議員が「住民の求める議員像」を明確にイメージできれば、定数も報酬もおのずと決まるのではないか。

 県内の市町村議会で議員定数を削減するケースが相次いでいるが、その主な理由は議会の経費節減。議員報酬もまた、同じ流れの中で削減されている。

 「住民の声を行政に届けられる議員定数とは」「報酬は現状で適正か」。これらのテーマに答えを出す作業は議員自身に委ねられている。ただし、その判断材料が、ひっ迫する市町村の財政状況だけであっていいのだろうか。

 【写真】佐賀町議会3月定例会の一般質問風景。4月の議員選からは議員定数が2減って12となる

平成15年3月15日付朝刊掲載

分権時代の選択 03統一地方選を前に <1>議員定数 (読売新聞静岡支局)

賛否両論、削減ブーム 前回から市町村議席34減
 四年に一度の統一地方選が間近に迫ってきた。「地方分権の時代」と呼ばれる二十一世紀の初めての統一選は、市町村合併など自治体の針路を決める「かじ取り役」を選ぶ重要な選挙。だが、県民の関心や盛り上がりが乏しいとの指摘も少なくない。今回、県内で予定される合計六十件もの選挙の実態を、さまざまな角度から概観してみよう。
 「定数減は、若手の政治参加を阻む。住民の意見も反映されにくくなる」

 「いや、議会の姿勢として、目に見えるメッセージを発信するべきだ」

 「合併しない」という針路を二月の住民投票で決めた東伊豆町。近い将来、国の地方交付税などは合併した市町村に手厚く配分されるといわれるだけに、片野武町長は「『独立独歩』に耐えうる町づくり」に向け、人件費削減など行財政のスリム化を打ち出した。町議会も例外ではない。

 定数削減には賛否両論が渦巻いたが結局、「積極的な議会改革が必要」という山田力男議長らの主張が通り、二月末、議員定数を十六から十二とする改正条例案が可決された。四月の統一地方選から早速、適用される。議員報酬の月額20%カットも同時に決まった。

定数4減を決めた東伊豆町議会。厳しい経済情勢下、削減を望む住民も多い(2月27日)


 片野町長は「議員の方々の英断だ。今後、自覚のある議会活動が期待できる」ともろ手をあげて歓迎したが、削減を決めた当事者の町議の表情は複雑だ。

 削減反対派の若手町議は「独自の町づくりには、アイデアに富んだ人材が不可欠。だが、『四減』では当選ラインも上がり、金と組織力のある決まった顔ぶれしか当選できない」と不安を訴える。

 賛成した町議からも「町づくりのビジョンを煮詰めてからでも、定数論議は遅くなかった」「削減不可避というムードには逆らえなかった」と後悔ともとれる声が漏れる。

 議員の定数削減は、昨今のブームとも言える現象だ。読売新聞の調べでは、今回の統一地方選で、市町村議選の行われる県内四十一議会のうち、約四割の十六議会で前回選以降、定数が削減された。合計三十四議席。市議会が一つ消えたのに相当する。

 削減の理由は、東伊豆町のように行財政改革の一環というケースがほとんど。沼津市や由比町の議会のように、自治会連合会や商工会などの要望が契機になった例も多い。

 「観光不況と議席削減のデフレスパイラル状態だ」と嘆くのは、熱海市議会の関係者。この一月、定数を三減らして二十一とする条例が施行されたが、これでこの十五年ほどに九つも定数を減らしたことになる。

 熱海では昭和二十―三十年代、大手ホテルや旅館が選挙戦の前面に出て、「政争の街」と呼ばれたが、近年もたび重なる定数減で激戦が繰り返されている。

 「定数減に伴う激戦は、有能な人材を当選させ、議会を活性化する」(市議)とプラスにとらえる声もあれば、「激戦でも、地縁血縁に頼る選挙戦ではダメ。観光活性化策を競わねば意味がない」(旅館経営者)と否定的に見る向きも。

 世間相場と比べて恵まれた立場にいる議員たちが、自らリストラを図ろうとする姿勢は悪くない。だが、地元自治会の削減要請や「ご時世」に逆らえない、自信のなさも見え隠れする。


(1998年11月16日四国新聞掲載)
特集 加速する議員削減 来春には法定数の64%

 来春の統一地方選に向けて、地方議会の議員定数の絞り込みが加速している。香川でも、次の選挙で4市6町が計22の定数削減を計画しており、これが実現すれば、県内5市38町の議員定数は、法定定数の63・9%にまで落ち込む。削減率日本一の町があれば、町より議員が少ない市も生まれる。行財政改革などが表向きの理由だが、背後には「議員など要らない」という住民の深刻な政治不信ものぞく。来年には根拠法の見直しがあるというが、削減はどこまで許され、市町ごとのばらつきは本当に「独自性」なのか。私たちが議席と一緒に失うものはないのだろうか・・・。

住民の不信 原動力
議員の思惑や駆け引きも
市町の実情

 「何をやっているのか分からない議員もいる。もっと減らせ、というのが大多数の市民の声ですわ」  ことし8月、丸亀の市民グループが約1500人の署名を添え、市議会に議員定数の削減を求めて陳情した。発起人の1人、同市内の自営業香川孜郎さん(60)は、現在の議会に対する強い不満を口にする。
 狙いは経費の節減と議員の資質向上。しかし、同議会には別のグループから議員定数を増やせとの陳情も上がっていた。

厳しい市民の声
 議員の定数増を陳情したのは、元共産市議らのグループ。論理はこうだ。
 「議員が減ると少数意見が反映されにくいし、地盤や知名度のない新人が議員になるのも難しい。丸亀市は人口も世帯数も増え続けており、議員定数を増やして当然」
 香川さんら削減派が主張する経費節減については、「もっと別の面で経費を削れるはず。市民の幅広い声をすくい上げるためにも、安易に議員数を減らすべきでない」と反論する。

 すでに定数削減を決めた善通寺市議の1人も「経費節減なら議員の数よりも報酬を減らせと主張したが、受け入れられなかった。他県と比べると県内の議員報酬は、恥ずかしいほど高い」と漏らす。

 しかし、現実にはいずれの主張も少数派。善通寺市議会の定数削減も実際には全議員の連名で提案された。我部山耕造議長は「本音で賛成は3分の1ぐらい。反対の議員もいるが、表立っては言いにくい」との議員心理を指摘する。

 「一番気にするのは市民感情。市民の声はかなり厳しい」(善通寺市議)、「議員のリストラが必要。報酬削減では市民にアピールできない」(丸亀市議)。住民の議会への不信が、議員の削減を後押ししていると声をそろえる。

メカニズム
 多くの議会で、定数を減らす根拠に挙げられるのが、市町の行革に歩調を合わせた「経費節減」と、同規模の市町の削減状況をにらんだ「横並び意識」だ。

 しかし、実際には次期選挙を控えた議員の思惑やかけひきが絡み合う。議員の欠員・引退や新人の立候補見込み、地区割り、議会での勢力争い―。

 高松市議会は長老議員の勇退などに合わせる形で議員定数を4つ減らした。

 丸亀市議会も同様の面がある、と削減派の市議はいう。「現在、28の定数のうち2人が欠員。だから減らしやすい。議員全員がそろっていれば削減案も出たかどうか」。

 議員提案による削減数はちょうど欠員と同じ2議席だったが、反対多数で否決となった。「やはり、みんな選挙が怖い。『時期尚早。もっと慎重に議論を』などと反対する人の本音も、減らせば自分の身が危ないと思っているから」(丸亀市議)。

 ほとんどの場合、議会の「外側の情勢」と「内側の事情」のバランスによって議員削減が決まるというメカニズムだ。

デメリットは
 議員を減らすことに問題はないのだろうか。  削減派は「議員2人を減らせば年間2000万円は経費を節減できる」(丸亀市議)と効果を強調するが、議員を減らすことのデメリットは数字に表れにくい。

 全国で最も議員定数の削減率が大きい宇多津町。ベテラン町議は、「議員数は十人と少なくても議会運営に支障はないし、住民の声をすくい上げる努力はしている。問われるべきは、議員の数よりは質」と“少数精鋭”を強調する。

 しかし、同町は県道を境に、南側の旧来の町と北側の「新都市」にほぼ2分され、議員はいずれも旧町から選出された議員ばかり。人口増が著しい「新都市」の議員はゼロだ。

 また、前回町議選の投票率は、県内の町で最も低い61・39%。新都市には自治会組織もなく、住民の声が町政に届いているとは言い難い。

 新都市の住民が町政に関心がないのか、関心を持てないのか。いずれにしても、議員の選出地区の偏り、投票率の低さは、地方議会のあるべき姿ではない。

減少の一途
 地方議会の議席数は、ここ数年、減少の一途。行政改革が叫ばれている中、各議会とも「役所が頑張っているのに、議会も何かしなければ|」という声の高まりを受け、条例で削減する動きが活発化している。

「議席の重さ」較差5倍  自主判断裏切る横並び

  今年がヤマ
 県内の状況は図が示す通り。5市38町の議会すべてで、既に法定数を下回っているのが現状だ。高松市などの4市6町では、次回選挙から、さらに22議席が削られるという。

 削減の善しあしは別にして、これにより、43議会の議席数は697となり、法定数1090の63・9%までに落ち込む。

 全国に目を向けても、この傾向は変わらない。

 全国町村議会議長会の調査(9年7月1日現在)では、2563の町村議会のうち、96・1%に当たる2462議会が法定数を割っている。法定数5万7146に対し、実に1万5400議席が減った。

 市議会も同じ。「9年末現在、全国670議会のうち、法定数通りはたった13」とは全国市議会議長会。こちらは法定数2万4442に比べ、21・1%減の1万9273が、現在の議席数となっている。つまり、地方議会では、削減状態が「当たり前」なのだ。

 「10年の調査を集計しているが、来春の統一地方選に向け、一段と動きが盛んになっている。おそらく今年がヤマではないか」。同議長会は補足する。

減数条例

 そもそも、地方議会の議員定数は、地方自治法に基づき、直近の国勢調査人口に応じて定められている。

 例えば、人口2000未満の町村が12、2000以上5000未満が16、5000以上1万未満が22―などと人口規模ごとに細分化されている。これが法定数。

 もう1点、同法では「条例で特にこれを減少することができる」と規定しており、冒頭に示した「条例で削減」の根拠がこれ。要するに、議会が独自に「減数条例」を定め、議席数を減らしても構わないのだ。

 実際、人口1万5000人を超える宇多津の定数が10なのに、4000人に満たない塩江、直島が12という事態も、善通寺より、三木、多度津の議席数が多い“市町逆転現象”も、議会の自主判断に基づいた結果に過ぎず、法的な問題はない。

 が、法定数が人口ごとに定められている以上、「何のための法定数なのか」との疑問は残る。法定数の形がい化、空洞化が指摘されるゆえんだ。

数合わせ

 1議席当たりの人口、つまり1議席の重さをみると、5市では高松の8344人と善通寺の2001人との間に、約4・2倍の較差がある。38町でも宇多津と塩江との間で、約4・9倍の差が生じている。違和感は残るものの、これも議会の独自判断にゆだねられていることから問題にはならない。むしろ、ランキング自体に意味がないとの指摘があるぐらい。  とはいえ、図中には問題も潜む。地域性を反映したはずの条例定数に「横並び意識」が垣間見える点だ。

 県内には綾南など法定数26の町議会が16あるが、うち条例定数を16としているのは10議会。三野など法定数22の12議会でも、8議会でそろって14となっている。

 法定数26は16、22は14、30は18―などと“削減の法則”があるようにさえ思える。「とりあえず隣町と一緒に」という意識の下、条例定数が「単なる数合わせに終わっていないか」との批判は根強い。

 地理、人口、主な産業によって「町の顔」は十人十色。同様に議会も役割によって、活動内容に特徴があって当然なのだが、減数条例を見る限り、少なくとも法が認める独自判断の根拠などは見えてこない。

法の意味

 「いやあ、実はよく分からないんですよ。プロシャの制度を参考にしたとは聞いているんですが」

 実に頼りない答えが返ってきた。「人口2000未満の町村は12」などと、地方自治法が人口規模に応じて示している市町村議員定数の根拠についての、自治省行政課の回答だ。

 「法の元締めが分からんで、だれが分かるんだ」と読者もお思いだろうが、この定数の根拠のあいまいさは、調べれても調べてもぬぐい切れない。

110年前の遺物

 地方議会の議員定数の出自は、明治21年制定の市町村制にさかのぼる。この制度は、ドイツ人公法学者モッセらの手でフランスの地方自治制度を参考につくられたことから、市町村議会制度もプロシャではなくフランスの地方議会制に倣ったとみられる。
 当時のフランスは、人口の2割までがパリ州に集中し、地方の過疎化が進んでいた。だから、地方議会は人口規模の割に議員数が多かったという。分かったのはここまで。住民何人に1人は議員が要るといった考え方などは、霧の中だ。
 日本の議員定数制度の枠組みに、これ以降大きな変化はない。もし「議員数が多すぎる」という指摘が当たっているとすれば、モデルが百十年前の遺制で、議員の性質が高額納税者らの名誉職から様変わりしながら、数字の具体的意味付けを怠ってきた歴史にある。

法定数は上限

 根拠は別にして、現行の法定数にはどんな意味があるのか。自治省は「あるべき数」(田谷聡行政課課長補佐)というが、香川大法学部の鹿子嶋仁助教授(行政法)は「上限を示しているのは明らか」と断じる。

 市町村議会の議員定数を定めた地方自治法90条の2項には「条例で減じることができる」とあり、同法の原理を示す2条には「地方団体は最少の経費で最大の効果を上げるよう」「常に合理化に努め、規模の適正化を図れ」などの項目があるからだ。

 つまり、「法定数以内で、各議会の実情に応じ、自主的削減に努めよ」と読めるわけだ。それなら、幾ら削減しようと、市町間でどんなばらつきが出ようと問題はない。が、実態はそうではない。

 多様化する一方の行政需要の中で、常任委員会の機能低下が著しかったり、結果として地方ボスに有利に働き、新人が出にくい状況が生まれたり・・・懸念の材料には事欠かない。 削減のメカニズムにしても、「地域の自主性」とはとても言えない「横並び」や現職が自らの地盤固めをこの問題で図るといったことも横行している。

 「削減、反対両派に、理も問題もある。せんじ詰めれば、住民の意思。これだけ削減が進んだのは、議会が機能していないという住民の判断があるから」と鹿子嶋助教授。「個々の議員の質的変化は、期待できない。これからは住民の意思を反映させる仕組みをつくらないと」。

制度変えねば

 今、政府は地方分権推進委の勧告を受け、来年1月の通常国会に、地方議会の活性化を図る関係法令の改正案を提案する準備を進めている。議員定数については、基本的に各団体が条例で定める方向だ。

 基準は、現行より大くくりの枠を示し、規範性を持たせず、目安程度にとどめるもようで、「現状追認型」になりそうという。

 「今度は増も可能。だからこそ、住民が直接関与できる議会が必要」というのが鹿子嶋助教授の立場だ。委員会の公開から、有線テレビの中継導入、ナイター議会、議会用語の追放などアイデアはたくさんある。  「現行の代理型から数を絞ってアメリカ風の信託型に切り替えるのも一案。利益代表でなく、大所高所から考えるシティーマネジャー制。いずれにしてもシステムを変えなければ、質は変わらない」と。  地方分権の流れは、地方議会に量をいじるのでなく質につながる仕組み改革の知恵を求めている。


WEB埼玉
2004年3月30日(火)

合併破たん、財政難理由に定数大幅減
羽生市議会

 
議員定数を23から16に減らす条例改正案を可決した羽生市議会

 羽生市議会は三月定例議会最終日の三十日、議員定数を現在の二三から一六に改める議員定数条例の一部改正案を賛成多数で可決した。

 合併協議の破たんに起因する行財政改革の一環で、次回の市議選(二○○七年四月)から適用される。県内四十市で現在の議員定数の最少は志木市の二一。

 岩槻市がさいたま市との合併が実現した場合、二七から七へ減らす意向を示しているが、単独自治体が定数を一挙に七減するのは全国でも極めて異例。

 改正案は、市議会の保守系四会派と公明党の代表ら六人の連名で議員提案された。市の人口は約五万八千人。地方自治法の議員定数は「人口五万人以上十万人未満の市は三十人まで」となっているが、減数条例で一九九九年四月の市議選から二三としている。

 提案のきっかけは、行田市と北足立郡吹上町、北埼玉郡南河原村との合併協議会が二月に破たんしたことにある。厳しい財政下で当面単独で市政運営しなければならない状況を踏まえ、「行政の監視機関である議会も不退転の決意で行財政改革に臨むべき」「合併が破たんした今、議員自らが襟を正して執行部、市民とともに痛みを分かち合うべき」とする意見が今月九日の全員協議会で出され、議会内で調整を続けてきた。

 協議の末、定数は現状の委員会構成などを考慮し、少なくとも十六人は必要と判断。七人減で年間、議員報酬費だけで約四千二百万円が削減されるという。

 本会議では「次の選挙まで三年もある。新年度から議員報酬を思い切って削減した方が効果的ではないか。民主主義の根幹にかかわるこのような重要案件は時間をかけて審議するべき」「極端な定数削減は議会の自殺行為。行政のチェック機関としての役目が果たせるのか」といった反対意見も出されたが、議長を除く出席議員の採決の結果、賛成十六、反対四で可決された。

 また議会費削減の一つとして毎年実施してきた各委員会の国内視察も新年度から凍結することを決めた。

 近隣自治体の議員定数は熊谷市二九(人口約十五万八千人)、行田市二五(約八万五千人)、加須市二四(約六万九千人)。町では北埼玉郡騎西町一八(約二万人)、吹上町一六(約二万三千人)。全国市議会議長会の資料によると、昨年九月現在で、人口五万人以上で定数一六以下を適用している市は全国になく、三万人以上の市では和歌山県の新宮市だけが一六を適用している。

議員定数削減案が可決 (2004年6月19日 タウンニュース)

秦野市議会が現行28人を2名減の26人に

 秦野市議会6月定例会で15日、議会の現行定数を削減する内容の議提議案が出され、可決された。これにより秦野市議会の議員定数は28人から2人減の26人に削減される。

 定数削減案は、「秦野市議会議員の定数を定める一部の条例を改正する」ための議案として一般質問終了後提出された。提案理由について、議会運営委員長の宮川住雄議員は「議会が議員定数の削減を行うことにより、自ら行財政改革の範を示し、本市の行財政改革の一層の促進を期するとともに、より効率的な議会運営を図るため」と説明した。

 議員定数削減に関しては、昨年11月に秦野商工会議所が4人程度の削減を求める陳情を、一方で同12月に秦野民主商工会など4団体が連名で、現行定数の堅持を求める陳情をそれぞれ提出、議会運営委員会内で継続して審議されてきた。また昨年末には陳情の審査の参考のため、市政会(風間正子会長)が市民を対象にアンケートを実施、6割以上の人が多すぎると回答しており、それら市民の声を鑑み、議会運営委員会は今定例会前の委員会で定数削減の陳情に関して「趣旨採択」の結論に達し、初日の本会議において賛成多数で採択されていた。

 15日の本会議前に提出された定数削減の議提議案に、共産党・村上政美議員が「2名削減の理論的根拠と削減賛成に至った経過を示せ」など6項目にわたり反対討論を展開した。これに対し宮川議員ら提出側は、欠員などから26人で半年間ほど議会が支障なく運営されていたことなどを上げ、「議員の多少ではなく審議内容の充実が重要。秦野市は今年を『決断と実行の年』と位置づけ行財政改革プランの作成を続けており、議会も自らが痛みを伴う改革が必要」と説明した。

 議案提出側の答弁に共産党市議団から「(議案提出者は)質問に答えていない」と叱責の声があがり、また共産党側から「2名削減で市民にはどんな利益があるのか」との再質問に、議場から「市民サービスは行政の仕事。議会はチェック機関」と野次が飛ぶなど、議場は一時騒然。当日議会には定数削減の陳情を提出した秦野商工会議所の宇山忠男会頭ら、会議所幹部が多数傍聴に駆けつけており、質疑、討論は1時間あまりにわたって続けられた。結果、定数削減議案は共産党を除く全議員の賛成により可決された。

 今回の定数削減について議長込山弘行議員は「この度の、議員定数削減を議員自らに課した試練と捉え、今日の議会を取り巻く新たな動向に立ち向かい、従来の活動水準をより高め、議員一人一人が市民のより一層の信頼を得ることを期待します」とコメント。また、4人削減の陳情を出していた秦野商工会議所の宇山忠男会頭は「十分とは言えないが、一歩前進として評価したい。自らの定数を削減し、行財政改革の範を示す決断をした議員の皆様に敬意を表します」と話した。

 なお、市議会議員の選挙は昨年8月に行われており、現職議員の任期は平成19年まで。26人の議員定数で争われる市議会議員選挙は平成19年からとなる。

 議会の議員定数は、平成11年の地方自治法の一部改正により、各自治体が条例で人口区分別の法定上限定数以内で定数を定めることが可能となっている。秦野市議会は、平成7年にそれまでの30人から28人に議員を削減しており、平成11年の条例制定時には市民からの定数堅持の陳情を採択、28人のまま定数を堅持した。また平成14年6月議会では、「議会運営の効率化」などを理由に秦野市議会議員の定数を28人とする条例を賛成全員で可決している。


岩手県議会 県行政に関する基本的な計画の議決に関する条例
(発議案第1号)
県行政に関する基本的な計画の議決に関する条例

(目的)
第1条 この条例は、県行政に係る基本的な計画の策定等を行う場合における議決に関し必要な事項を定めることにより、立案段階からの県民及び議会の積極的な参加の下で、わかりやすく実効性の高い計画の策定を図り、もって県民の視点に立った効果的な県行政の推進に資することを目的とする。

(定義)
第2条 この条例において「基本計画等」とは、次に掲げる計画等をいう。
(1) 県行政の全般に係る政策及び施策の基本的な方向を総合的かつ体系的に定める計画、指針その他これらに類するもの
(2) 前号に掲げるもののほか、環境、保健福祉、産業振興、社会基盤整備、教育その他県民生活に関係が深く、かつ、県行政の運営上特に重要と認められる分野における政策及び施策の基本的な方向を定める計画、指針その他これらに類するもの

(議会の承認)
第3条 知事その他の執行機関(以下「知事等」という。)は、基本計画等の策定、変更(次に掲げる事項に係る場合に限る。以下この条及び次条において同じ。)又は廃止をするに当たっては、次に掲げる事項について、議会の議決による承認を経なければならない。
(1)基本計画等の推進に係る基本構想に関すること。
(2)基本計画等の実施期間に関すること。
(3)基本計画等の実施に関する主要な目標のうち、県行政の推進上特に重要と認められるものに関すること。
(4)前3号に掲げるもののほか、基本計画等の実施に関し必要な政策又は施策の主要な実施方法の概要
2 知事は、基本計画等のうち前条第1号に規定するものに関し議会の承認を求めようとする場合にあっては、当該基本計画等を実施するために必要な職員の体制及び財政状況の見込みに関する資料その他の当該基本計画等が適確に実施されるよう必要な措置が講ぜられることを示す資料を議会に提出し、当該基本計画等の実効性に関し説明しなければならない。
3 知事等は、第1項の承認を経て、基本計画等の策定、変更又は廃止をしたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
 (基本計画等の立案過程における議会への報告、公表等)
第4条 知事等は、基本計画等の策定又は変更をしようとするときは、その立案過程において、次に掲げる事項を議会に報告し、及び説明するとともに、併せて当該事項を公表し、県民及び事業者並びに市町村の意見が反映されるよう必要な措置を講じなければならない。
(1)基本計画等の策定又は変更をする趣旨、目的、背景、根拠法令等
(2)基本計画等の案の概要
(3)基本計画等の実施に係る経費その他当該基本計画等の実施に関し必要と認められる事項

(実施状況の報告)
第5条 知事は、毎年度、第2条第1号に規定する基本計画等についての実施状況を取りまとめ、その概要を議会に報告するとともに公表しなければならない。

(知事等への意見)
第6条 議会は、社会経済情勢の変化等の理由により、基本計画等の変更又は廃止が必要と認めるときは、知事等に対し意見を述べることができる。

附 則
1 この条例は、公布の日から施行し、同日以降に策定される基本計画等について適用する。
2 この条例の施行の際現に策定されている計画等のうち、岩手県総合計画は第2条第1号に掲げる基本計画等と、次に掲げる計画は第2条第2号に掲げる基本計画等とみなす。

(1)社会貢献活動の支援に関する指針
(2)岩手県環境基本計画
(3)いわて男女共同参画プラン
(4)岩手県自然環境保全基本方針
(5)岩手県新エネルギービジョン
(6)岩手県省エネルギービジョン
(7)岩手県保健福祉計画
(8)ひとにやさしいまちづくり推進指針
(9)新しい商工労働観光振興計画
(10)岩手県農業・農村基本計画
(11)岩手県林業基本計画
(12)岩手県水産業基本計画
(13)岩手県住宅・土木基本計画
(14)岩手県教育振興基本計画