議員提出議案第2号
愛川町自治基本条例案の特徴(概要)


@条例の中で「議会」の位置付けを明確にした。

先行してつくられた条例(まちづくり基本条例も含む)のほとんどは、分権時代の議会の役割をきちんと位置付けていない(付け足しの)感がある。 これではますます議会の影は薄くなってしまう。(辻先生のレジメにもあるように)住民参加が進めば、やがて「議会無用論」がでてくる。

Aでは、どこが違うのか?

第1章 総則

・(条例の位置付け)第2条 、最高規範性を規定した。町民に愛され、町民が誇りに思う条例にしようという願いも込めた。

第2章 まちづくりの基本原則

・まちづくりの主体である「わたしたち町民」を1人称で表現した。

・また、中学生にも理解できるやさしい表現にした。

・町案にある「住民参加」「情報の共有」に「協働のまちづくり」を加え3原則とした。

第3章 議会

*分権時代の議会はどうあるべきかという問題意識がスタートラインにある。

・(調査及び監視)第9条 、執行機関との緊張関係を維持しつつ、調査及び監視するものとするとした。この「緊張関係」という言葉は、札幌市自治基本条例案(神原私案)や三重県議会の基本理念の中に見ることができる。

・(政策の立案等)第10条 、政策の立案及び条例の策定に積極的に努め、町民との情報・意見の交換に努めるとした。

・(組織体制の整備)第11条、政策・条例が自力でつくれる議会に→それをサポートする事務局体制を強化する→自立的な組織体制の整備

・(開かれた議会)第13条、通常、請願・陳情等に対して、提出者は発言ができないが、発言の機会を保障することを会議規則に明記する。

第4章 執行機関

・(町長の在任期間)第17条 、町長の多選自粛を基本条例に規定した。(全国初)

地方分権の推進により権限が委譲されると、首長の権限はより強大になるため。また、本町における6期24年続いた長期政権の反省による規定でもある。

・(職員の責務)第18条 、どこの役所でも職員の対応の悪さが評判になるが、条例の中では、「町民本位の立場」に立ち、「町民との協働」に努めるとした。

第5章 町政の運営

・(基本構想等)第19条、基本構想等の策定、変更または廃止に際し、「議会の議決」を条件づけた。(地方自治法96条2項 →議決事項の拡大)

・(財政運営)第20条 、中長期的な財政計画の策定を義務付けた。

・(予算編成)第21条 、広く町民の意見・要望を聞き、予算に反映させるよう努めるとした。

第6章 住民投票

・(住民投票の請求及び発議)第25条、町案では規定がなく、 町民及び議会には住民投票の請求及び発議ができないとされたが、住民の参加権を保障するためにはこの規定が必要不可欠である。ましてや、現行法の枠内でも可能なのだから、住民の権利として明記すべきである。

第7章 情報共有のための制度

・(パブリック・コメント手続)第30条 、必要な事項は、別に条例で定めるとした。

→町案では、手続きに関して細かく規定されているが、基本条例では「基本的なこと」を述べるにとどめ、細かいことは個別条例にゆずるのが一般的な考え方である。町案は、個別条例的要素を盛り込んだため、基本条例としての姿・形が歪んでしまった。本町の憲法ともいうべき条例なのだから、美しくありたい。

第8章 まちづくり活動への支援

・ 第31条で(コミュニティ活動)への支援を、第32条でボランティアやNPO等の(公益的活動)に対する支援をごく簡単に規定した。将来、当事者や関係団体による自主的な条例制定を期待している。

第9章 推進機関の設置

・(住民参加推進会議の設置)第33条、行政主導であった専門研究委員会の反省を踏まえ、「推進会議の運営は、住民参加の趣旨に基づき、委員の自主性が尊重されなければならない。」とした。

・(報告書の公表)第34条、推進会議の報告書には町長の意見をつけ公表するという規定を設けた。

第10章 条例の検討及び見直し

・ 変化のスピードが速い時代に見直し条項は必須と考えた。
*全体の構成に関しては、町案は基本条例にパブリック・コメント手続やまちづくの個別条例がくっついたものになっていて、基本条例としての姿が歪んでいる。

*条文や文言はできるだけ簡潔でわかりやすいものにした。町案は、お役所ことばや行政用語が多く、難解で、とても親しまれるものになっていない。

(PC意見でも、「自治運営」は行政用語であり、それを理解できる町民はいないとあった)

*第5条(町民等の権利及び責務)もその事例のひとつと言える。

「町民等は、自治運営の主体であり、自治運営に参加する権利を有する。 」

「自治運営」ということば自体理解できないのに、その主体であるといわれても何のことかわからない。また、「自治運営に参加する」といわれても何に参加するのか理解できないし、イメージもわかない。その上、主体的な感じがまったくしない「町民等」が「自治運営の主体」とされているので、異質な感じがする。

それよりも、やさしく素直に「わたしたち町民は、まちづくりの主体であり、まちづくりに参加する権利を有する」とした方がはるかにいい。

Bまちづくり(都市づくり)を規定しなかった理由

いわゆる「まちづくり条例」というのは、土地利用、建築行為、開発行為など、都市の物的環境整備を目的とした条例で、国法(都市計画法、建築基準法)との関係もあって、それ自体きわめて複雑な構成になっている。ここから住民参加の部分のみを抜き出して、基本条例の中に規定することにどれだけの意味があるのかきわめて疑問である。これこそ個別条例で規定すべきテーマである。

なぜ、町案にこれが盛り込まれたのか、その理由は、本町が「まちづくり条例」を持っていないからである。しかし、事はそれほど簡単ではない。いくら基本条例の中でまちづくり(都市づくり)を規定しても、それには自ずと限界があり、個別条例が持つような実効性を確保することはできない。

その証拠に、町案がモデルとした市町村研修センターの条例案でも、解説で、「自治基本条例という枠の中では、規定できなかった部分(例えば、開発手続きなど)があるため、別途「愛川町都市づくり条例(案)」という形でも提案する。」と述べている。

中途半端に基本条例の中でまちづくり(都市づくり)を規定したりしないで、最初から個別条例で規定すればいい。基本条例とは別に個別条例が必要ならその方がすっきりしている。自治基本条例の中でまちづくり(都市づくり)の規定をしている自治体はない。

C町案 第6章 まちづくり(都市づくり)の問題点


*まちづくり(都市づくり)なのに、総合計画や都市マスタープランとの関連が何も規定されていない。

(市町村研修センター案では、第27条(都市づくり推進地区の指定)において、基本構想等と推進地区の関連が示されている。)

*都市マスタープランがつくられてからすでに7〜8年経つが、いまだに計画の推進があまり図られていない。(つくってそのまま放置されているという状態)行政としてはまずこれをどうするか考えなくてはならない。

*町案では、まちづくり(都市づくり)を「総合的かつ計画的な土地利用の推進並びに良好な住環境の整備、開発及び保全に係る活動をいう。」と定義しているにもかかわらず、内容的にはそれを住民参加の部分のみに限定してしまっている。これでは実効性に乏しいばかりか、ほとんど意味がない。

*専門研究委員会では、盛り込むことに反対の意見が多かった。まちづくり(都市づくり)については、委員の中から出た意見ではなく最初の条例の骨子案にもなかった。市町村研修センターの条例案が紹介された後、骨子案に盛り込まれたものである。