愛川町自治基本条例(案)
提出者 小島総一郎
賛成者 鳥羽 清
山中 正樹
熊坂 徹

目次

前文
第1章 総則(第1条〜第3条)
第2章 まちづくりの基本原則(第4条〜第7条)
第3章 議会(第8条〜第14条)
第4章 執行機関(第15条〜第18条)
第5章 町政の運営(第19条〜第23条)
第6章 住民投票(第24条〜第25条)
第7章 情報共有のための制度(第26条〜第30条)
第8章 まちづくり活動への支援(第31条〜第32条)
第9章 援推進機関の設置(33条〜34条)
第10章 条例の検討及び見直し(第35条)
第11章 委任(第36条)
附則


私たちは、中津川を愛し、この町を「愛川」と呼んでいます。愛川町は、水と緑の町です。江戸時代から学問に熱心で、文化と伝統を育んできました。近年は、新しいものの見方や考え方をとり入れ、進取の精神で、町民自らが時代を切り拓く力を培ってきました。「町民力」のある町、それが愛川町です。

21世紀になり、地方分権が進み、まちづくりへの関心が高まっています。私たちは、この自然に恵まれた美しい町を、誰もが安心して暮らせる町、生きることが楽しいと感じることのできる町にしたいと願っています。

それはとりも直さず、まちづくりの主体である私たち町民が、「町民力」を発揮し、ともに力を合わせ、協力することによって、真の「住民自治」を実現することでもあります。

ここに私たちは、町の自治の基本となる理念を明らかにし、新しい自治のしくみを「愛川町自治基本条例」として定めます。


1章 総則

(目的)
第1条 この条例は、本町のまちづくりに関する基本的事項を定めることにより、町民誰もが楽しくまちづくりに参加し、安心して暮らせる地域社会を築くことを目的とする。

(条例の位置付け)
第2条 この条例は、町政の基本事項について、町が定める最高規範であり、議会及び町は、新たに条例、規則等を定める場合は、この条例の趣旨を最大限尊重しなければならない。

(定義)
第3条 この条例において「まちづくり」とは、以下の活動をいう。
1. 町が行う行政活動
2. 地域における自主的なコミュニティ活動
3. ボランティアやNPO等の公益的活動
4. 三者が協力して行う活動


第2章 まちづくりの基本原則

(参加の原則)
第4条 まちづくりは、町の政策、施策及び事務事業(以下「政策等」という。)の立案、実施並びに評価のそれぞれの過程において、町民の参加を得ながら進めていくことを基本とする。

(情報共有の原則)
第5条 まちづくりは、わたしたち町民、議会及び町がまちづくりに関する情報を共有しながら進めていくことを基本とする。

(協働の原則)
第6条 まちづくりは、わたしたち町民、議会及び町がそれぞれの果たすべき責任と役割を分担し、互に協力して進めていくことを基本とする。

(町民の権利と責務)
第7条 わたしたち町民は、まちづくりの主体であり、まちづくりに参加する権利を有する。
2 わたしたち町民は、まちづくりの基本理念にのっとり、互いの権利を認め合い、相互に協力するよう努めなければならない。


第3章 議会

(議事機関)
第8条 議会は、町民の信託を受けた議事機関として、町民の意思を尊重し、条例・予算等の議決をとおし、まちづくりに関する重要な政策を決定するものとする。

(調査及び監視)
第9条 議会は、町長等の執行機関との緊張関係を維持しつつ、町政が適切に運営されているか調査及び監視するものとする。

(政策の立案等)
第10条 議会は、まちづくりに関する政策の立案及び条例の策定に積極的に努めなければならない。
2 前項の趣旨を実現するため、議会は、まちづくりの施策の調査、検討を積極的に行うとともに、町民との情報・意見の交換に努めなければならない。

(組織体制の整備)
第11条 前条の目的を達成するため、議会は、自立的な組織体制を整備しなければならない。

(情報の共有)
第12条 議会は、議会活動に関する情報を町民に分かりやすく説明し、提供することによって、町民との情報の共有に努めなければならない。

(開かれた議会)
第13条 議会(本会議)の公開とあわせ、委員会その他の会議も原則公開とする。
2 議会は、その運営にあたり、真に町民に開かれたものとなるよう努めなければならない。
3 議会は、町民からの請願・陳情等に対して、提出者がその趣旨や意見を表明する機会を保障しなければならない。 

(議員の責務)
第14条 議員は、町民意思を反映した政策実現のため、政策提案能力及び審議能力の向上に努めなければならない。
2 議員は、町民の代表としての職責の重さを深く自覚し、高い見識と倫理観をもって行動しなければならない。


第4章 執行機関

(町の責務)
第15条 町は、この条例の基本理念にのっとり、適切かつ公正に町政の運営を行わなければならない。
2 町は、政策の立案、実施及び評価のそれぞれの過程において、その内容、手続等を町民にわかりやすく説明しなければならない。
3 町は、町民からの意見、要望、苦情等の申立てに対して、速やかに事実関係を調査し、誠実に応答しなければならない。

(町長の責務)
第16条 町長は、町民の信託に応え、誠実かつ公正に職務の遂行に努めなければならない。

(町長の在任期間)
第17条 町長の職に一人の者が長期間にわたって就くことによる弊害を防ぐため、町長の職にある者は、連続して3期を超えて在任することのないよう努めるものとする。

(職員の責務)
第18条 職員は、町民本位の立場に立ち、誠実に職務を遂行するとともに、町民との協働に努めなければならない。


第5章 町政の運営

(基本構想等)
第19条 町は、この条例の基本理念にのっとり、基本構想及びこれを具体化するための計画(以下、「基本構想等」という。)を策定しなければならない。
2 基本構想等は、広く町民の参加を得て策定するものとする。
3 町は、基本構想等の策定、変更または廃止にあたっては、別に条例で定めるところにより、議会の議決による承認を得なければならない。
4 基本構想等は、新たな行政課題に対応できるよう、不断の検討が加えられなければならない。

(財政運営)
第20条 町は、中長期的な財政計画を策定し、健全な財政運営を図らなければならない。
2 町は、予算及び決算に関する財政状況等を、町民に分かりやすく公表するよう努めなければならない。

(予算編成)
第21条 町長は、予算編成にあたっては、基本構想等と行政評価との連動に努めなければならない。
2 町長は、予算編成にあたっては、広く町民の意見・要望を聞くよう努めなければならない。
3 町長は、前項の町民の意見・要望を予算に反映させるよう努めなければならない。

(行政評価)
第22条 町は、効果的かつ効率的に町政を運営するため、町の実施する政策等の評価を行わなければならない。
2 町は、前項の評価の結果を公表するとともに、政策等に反映させなければならない。

(行政手続)
第23条 町は、行政の運営にあたっては、事務手続きの公正と透明性の確保を図るよう努めなくてはならない。
2 行政手続に関して必要な事項は、別に条例で定める。


第6章 住民投票

(住民投票)
第24条 町長は、本町に係る重要な事項について、直接、町民の意思を確認する必要がある場合は、住民投票を実施することができる。
2 住民投票の実施に関し必要な事項は、別に条例で定める。
3 町長及び議会は、住民投票の結果を尊重しなければならない。

(住民投票の請求及び発議)
第25条 町民及び議会は、本町に係る重要な事項について、町長に住民投票の実施を請求することができる。


第7章 情報共有のための制度

(情報の公開及び提供)
第26条 町は、町民の知る権利を保障しなければならない。
2 町は、公正で開かれた町政を実現するため、別に条例で定めるところにより、町政に関する情報を積極的に公開し、及び提供しなければならない。
3 町は、情報の提供にあたっては、その内容が町民に理解されるよう努めなければならない。

(個人情報の保護)
第27条 町は、個人の権利及び利益が侵害されることのないように、別に条例で定めるところにより、個人情報を保護しなければならない。

(会議の公開)
第28条 町の審議会、審査会、その他の附属機関及びこれに類するもの(以下「審議会等」という。)の会議は、原則公開するものとする。

(委員の公募)
第29条 町は、審議会等の委員には、公募の委員を加えるよう努めなければならない。
(パブリック・コメント手続)
第30条 町は、基本的な政策等を策定するときは,事前に案を公表し、町民の意見を求めなければならない。 
2 町は、前項の規定により提出された意見に対する町の考え方を公表しなければならない。
3 パブリック・コメント手続について必要な事項は、別に条例で定める。


第8章 まちづくり活動への支援

(コミュニティ活動)
第31条 町は、地域コミュニティにおける町民の自主的・主体的なまちづくり活動に対して、必要な支援を行うことができる。

(公益的活動)
第32条 町は、ボランティアやNPO等町民の主体的な公益的活動に対して、その自立を支援するとともに、活動しやすい環境の整備に努めなければならない。
2 町は、前項の公益的活動を支援するための拠点を整備するよう努めなければならない。


第9章 推進機関の設置

(住民参加推進会議の設置)
第33条 この条例の適正な運用状況を審議するため、町長の附属機関として、愛川町住民参加推進会議(以下「推進会議」という。)を設置する。
2 推進会議の運営は、住民参加の趣旨に基づき、委員の自主性が尊重されなければならない。
3 推進会議は、次に掲げる事項を調査・審議し、報告書を町長に提出する。
(1) 住民参加の推進状況に関すること
(2) 住民参加の評価及び検証の結果に関すること
(3) 住民参加の新たな方法の調査及び研究に関すること
(4) この条例の改廃に関すること
(5) 住民参加の推進に関する基本的な事項
4 推進会議は、10人以内の委員で組織する。
5 委員の任期は、2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。  
6 委員は、2期を超えて連続して再任されることはできない。
7 前各項に定めるもののほか、推進会議に関し必要な事項は、別に規則で定める。

(報告書の公表)
第34条 町長は、推進会議が提出した前条第3項の報告書に、町長の意見をつけ、これを公表しなければならない。


第10章 条例の検討及び見直し

第35条 町は、この条例の施行後4年を超えない期間に、この条例が所期の目的を達成しているかどうかを検討するものとする。
2 町は、前項の検討結果をふまえ、この条例の見直しを含めて必要な措置を講ずるものとする。


第11章 委任

第36条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。


附則 この条例は、平成16 年 9 月 1 日 から施行する。