町長提出議案 愛川町自治基本条例(案) 議員提出議案 愛川町自治基本条例(案)
第1章 総則 第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、愛川町の自治運営に関する基本的事項を定めることにより、町民等の参加による開かれた町政の運営を図り、もって真の自治の実現を推進することを目的とする。

<ポイント>

まず、「自治運営」ということばが一般の人には馴染みがない。PC意見でも「自治運営というのは、全く行政用語である。はっきり言って、この言葉をわかる町民はいない。「まちづくり」の方がイメージもいいし、「いい町にしよう」「住みよい町にしよう」という感情が自ずと生まれる。」と言っている。

実は、市町村研修センターの条例案では、「自治運営」ではなく「まちづくり」だった。

なぜ、「まちづくり」が「自治運営」という行政用語に変わってしまったかといえば、「都市づくり」を無理に条例に盛り込もうとしたからだ。「都市づくり」ということばは、ぎこちなく落ち着きも悪い。そこで、苦肉の策として、響きのいい「まちづくり」を「都市づくり」にあげてしまったので、「まちづくり」は「自治運営」という行政用語で代弁されることになった。
(目的)
第1条 この条例は、本町のまちづくりに関する基本的事項を定めることにより、町民誰もが楽しくまちづくりに参加し、安心して暮らせる地域社会を築くことを目的とする。

<ポイント>

いちばんのポイントは、「町民誰もが楽しく」です。思わず誰もが参加したくなるような、そんなまちづくりをめざします。単なる目的規定にとどまらないで、行動に結びつく動きのある文章、規定にしました。
(条例の位置付け)
第2条 この条例は、町政の基本事項について、町が定める最高規範であり、議会及び町は、新たに条例、規則等を定める場合は、この条例の趣旨を最大限尊重しなければならない。

<ポイント>

法的には、個々の条例に優劣はありませんが、この条例は本町のまちづくりに関する最も基本的な事項を定めるものです。その意味で、本町の憲法(基本法)とも言うことができます。

町案について言えば、個別条例で定める事項をたくさん盛り込んでしまったので、(個別条例をつくる必要がないほど)あえて言う必要がないのかも知れません。

しかし、それよりもわが町の憲法として町民から愛され認知されることの方がより重要です。誰もが誇りに思うわが町の憲法になってほしいという願いがこの条文には込められています。

(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 町民 本町の区域内に住所を有する者をいう。
(2) 町民等 前号に掲げる者のほか、次に掲げるものをいう。
ア 本町の区域内に事務所又は事業所を有するもの
イ 本町の区域内に存する事務所又は事業所に勤務する者
ウ 本町の区域内に存する学校等に在学する者
エ 本町に対する権利又は義務を有するもの
(3) 町 町長(水道事業管理者の権限を行う町長を含む。)、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、農業委員会及び固定資産評価審査委員会をいう。
(4) まちづくり 総合的かつ計画的な土地利用の推進並びに良好な住環境の整備、開発及び保全に係る活動をいう。
(定義)
第3条 この条例において「まちづくり」とは、以下の活動をいう。
1. 町が行う行政活動
2. 地域における自主的なコミュニティ活動
3. ボランティアやNPO等の公益的活動
4. 三者が協力して行う活動

<ポイント>

まちづくりのみを定義し、町民等の定義はしませんでした。町案において、なぜ、町民等の定義が必要かといえば、参加に関する権利義務の範囲を明確にする必要があるからです。

なぜかといえば基本条例の中に個別条例的な要素を多く盛り込んでいるからです。(会議の公開や委員の公募、PC手続き、町民公益活動、まちづくり活動など)

しかし、基本条例をすっきりした形に仕上げるためには、そうした個別条例的要素は盛り込まない方がいいし、あまり条例の内容が込入って、ただでさえ「難しい」といわれる条例がますます難しくなってしまう。(ニセコ町の条例にはこうした規定はない。)


第2章 まちづくりの基本原則
<ポイント>

町案には、まちづくりの基本原則という章はないが、条例の構成上はあった方がいいと思う。第一、わかりやすい。(特に基本条例は長いから)

もうひとつ重要なポイントは、第4条(執行機関としての町に関わる部分)を除いて、第5条から第7条までを一人称で「わたしたち町民」という表現を使ったことである。

わたしたち町民がまちづくりの主体であるのだから、ここは一人称を用いて主体的な表現とすべきである。町案が一貫して「町民等」という無機質な冷たい表現をしているのと対照的である。
(参加の原則)
第3条 本町の自治運営は、町民等の意思を反映させるため、町の実施する政策、施策及び事務事業(以下「政策等」という。)の立案、実施及び評価のそれぞれの過程において、町民等の参加を得ながら進めていくことを基本とする。

<ポイント>

「本町の自治運営は」という表現はいかにも重たい。親しみも湧いてこない。
(参加の原則)
第4条 まちづくりは、町の政策、施策及び事務事業(以下「政策等」という。)の立案、実施並びに評価のそれぞれの過程において、町民の参加を得ながら進めていくことを基本とする。

<ポイント>

町案とほぼ同じ内容だが、文章が長いので、あまり必要と思われない「町民等の意思を反映させるため」は削除して簡潔な表現をめざした。
(情報共有の原則)
第4条 本町の自治運営は、町民等の参加による町政運営の推進を図るため、町民等、議会及び町が自治運営に関する情報を共有しながら進めていくことを基本とする。

<ポイント>
「町民等の参加による町政運営の推進を図るため」という表現もいかにも重たい。せっかくの「情報の共有」というまちづくのキーワードがお役所ことばによって霞んでしまった。
(情報共有の原則)
第5条 まちづくりは、わたしたち町民、議会及び町がまちづくりに関する情報を共有しながら進めていくことを基本とする。

<ポイント>

第4条と同じ趣旨。表現の簡潔さとわかりやすさを考えた。
(協働の原則)
第6条まちづくりは、わたしたち町民、議会及び町がそれぞれの果たすべき責任と役割を分担し、互に協力して進めていくことを基本とする。

<ポイント>

町案にはありませんが、参加の原則と情報共有の原則とともに、協働の原則をまちづくり基本原則と考え規定しました。
(町民等の権利及び責務)
第5条 町民等は、自治運営の主体であり、自治運営に参加する権利を有する。
2 町民等は、自治運営に参加するときは、自らの発言と行動に責任を持たなければならない。

<ポイント>

「町民等」ということばの持つ響きは自治運営の「主体」とは対極にある。まちづくりの「主体」に「町民等」という表現はなじまない。やはり、ここは一人称で「わたしたち町民」というべきではないか。
(町民の権利と責務)
第7条 わたしたち町民は、まちづくりの主体であり、まちづくりに参加する権利を有する。
2 わたしたち町民は、まちづくりの基本理念にのっとり、互いの権利を認め合い、相互に協力するよう努めなければならない。

<ポイント>

同じことを表現していても、言葉の使い方ひとつでこれだけ違います。声に出して読み比べて欲しい。

第3章 議会
(議会の責務)
第6条 議会は、町民の代表として選ばれた議会議員によって組織された本町における議事機関であることを認識し、町民の信頼に応えるため、積極的に活動しなければならない。
2 議会は、町政運営が常に適切かつ公正に行われているかを監視するとともに、議会議員の有する政策提案権等の充実を図り、公共の福祉の増進を図るため、町政運営の円滑化に努めなければならない。
3 議会は、町民等と議会活動に関する情報を共有するよう努めなければならない。

<ポイント>

条文の内容については、とくに異論はない。「町政運営の円滑化に努めなければならない。」という部分を除いては、もっともな内容であるし、その通りだと思う。

しかし、なぜ、自治基本条例をつくるのか、分権時代における議会の役割とは何かをもっと掘り下げて考える必要があるのではないかと思う。
(議事機関)
第8条 議会は、町民の信託を受けた議事機関として、町民の意思を尊重し、条例・予算等の議決をとおし、まちづくりに関する重要な政策を決定するものとする。

<ポイント>

基本条例における議会の規定は、この「町民の信託を受けた」という点がきわめて重要であり、すべての原点となる。

(調査及び監視)
第9条 議会は、町長等の執行機関との緊張関係を維持しつつ、町政が適切に運営されているか調査及び監視するものとする。

<ポイント>

緊張関係について、条例文にはこういう表現はなじまないとの意見をいただいたが、この「緊張関係」という言葉は、札幌市自治基本条例案(神原私案)や三重県議会の基本理念の中にも見ることができる。

議会として常に緊張した関係を心がけるだけでなく、外に向けた宣言としての意味もあるのであえて規定した。

(政策の立案等)
第10条 議会は、まちづくりに関する政策の立案及び条例の策定に積極的に努めなければならない。
2 前項の趣旨を実現するため、議会は、まちづくりの施策の調査、検討を積極的に行うとともに、町民との情報・意見の交換に努めなければならない。

<ポイント>

分権時代の議会に求められるのは、まさに、この「政策の立案及び条例の策定」である。そして、その際大切なことは、「町民との情報・意見の交換」である。これなくして、地域にあった政策の立案・形成はできない。

(組織体制の整備)
第11条 前条の目的を達成するため、議会は、自立的な組織体制を整備しなければならない。

<ポイント>

議会が前条のような活動を行うためには、事務局体制の強化を含めて、「自立的な組織体制」の整備が不可欠である。今後、地域の特性を生かした条例を議員誰もが議案提出できるようなサポート体制の構築が急務である。

(情報の共有)
第12条 議会は、議会活動に関する情報を町民に分かりやすく説明し、提供することによって、町民との情報の共有に努めなければならない。

(開かれた議会)
第13条 議会(本会議)の公開とあわせ、委員会その他の会議も原則公開とする。
2 議会は、その運営にあたり、真に町民に開かれたものとなるよう努めなければならない。
3 議会は、町民からの請願・陳情等に対して、提出者がその趣旨や意見を表明する機会を保障しなければならない。 

<ポイント>

開かれた議会とは、議会における住民参加の推進をも意味する。請願・陳情等に際して、意見表明の機会を保障することは大切。

(議員の責務)
第14条 議員は、町民意思を反映した政策実現のため、政策提案能力及び審議能力の向上に努めなければならない。
2 議員は、町民の代表としての職責の重さを深く自覚し、高い見識と倫理観をもって行動しなければならない。

<ポイント>

第2項の文章は、1月臨時議会で可決した「政治倫理の確立に関する決議」の中の一文である。議会にとっては不名誉な出来事であったが、ここに条文として規定することにより、より一層の決意を表すものである。

第4章 執行機関
(町の責務)
第7条 町は、この条例の理念にのっとり、町民参加と情報共有を基本とし、町民等との協働を図りながら、適切かつ公正に町政運営を行わなければならない。
2 町は、町の実施する政策等の立案、実施及び評価のそれぞれの過程において、必要に応じて、その内容、手続等を町民等に説明しなければならない。
3 町は、町民等の意見、要望等の申立てに対して、必要に応じて事実関係を調査し、誠実に応答しなければならない。

<ポイント>

最初に「この条例の理念にのっとり」と言った以上、それに続く「町民参加と情報共有を基本とし、町民等との協働を図りながら、」の部分は必要がない。それでなくても、長い文章なのだから、簡潔さを心がけるべきである。
(町の責務)
第15条 町は、この条例の基本理念にのっとり、適切かつ公正に町政の運営を行わなければならない。
2 町は、政策の立案、実施及び評価のそれぞれの過程において、その内容、手続等を町民にわかりやすく説明しなければならない。
3 町は、町民からの意見、要望、苦情等の申立てに対して、速やかに事実関係を調査し、誠実に応答しなければならない。

<ポイント>

この条文は、ほぼ町案と同じです。しかし、町案には「必要に応じて」という文言が入ります。PC意見にもあったように、ここに「必要に応じて」という文言が入ってしまっては、せっかくの自治基本条例が台無しです。これこそ、まさに、町の裁量権を認めるもので、町民の声に応える真摯な態度とは言えません。

専門研究委員会でも、この点については委員からきびしい指摘がありましたし、モデルとした市町村研修センターの条例案にもありませんでした。もちろん、ニセコ町の条例にもありません。

(町長の責務)
第16条 町長は、町民の信託に応え、誠実かつ公正に職務の遂行に努めなければならない。

<ポイント>

「町長」、「職員」、「執行機関としての町」それぞれの責務を分けて考えるか否かは、考え方の問題である。つまり、思想の問題である。可能か不可能かが問われているのではない。明記するか否か、そのことによって政治家の思想(ポリシー)が問われることになるのだ。

町のトップであれば、禅問答のような責任論など脇において、堂々と自らの責任と義務を町民の前に宣言すべきである。

町民の信託に答えるためにも。ニセコ町の条例には、しっかりと「町長の責務」が規定されている。それだけでなく、「就任時の宣誓」の規定まである。


(町長の在任期間)
第17条 町長の職に一人の者が長期間にわたって就くことによる弊害を防ぐため、町長の職にある者は、連続して3期を超えて在任することのないよう努めるものとする。

<ポイント>

本町においては、つい数年前まで、6期24年間に渡って長期政権が続きました。その結果、行政運営におけるマンネリ化、硬直化の傾向が見られました。その反省の上に立って、この規定を設けました。

さらに、これからは地方分権の推進により権限の委譲がすすみ、首長の権限はますます強大になります。首長の多選問題は政治的な問題であると同時に、優れて自治のあり方そのものの問題でもあります。


(職員の責務)第18条 職員は、町民本位の立場に立ち、誠実に職務を遂行するとともに、町民との協働に努めなければならない。

<ポイント>

町長同様、職員の責務を規定しました。ひとりひとりの職員が輝いてこそのまちづくりです。(全体は個からなっていることを再認識すべきです。)

住民参加がうまく行くかどうか、それはひとえに職員の腕にかかっています。これからは町という組織の中に埋もれてしまって姿が見えない職員ではなく、自ら積極的に町民との協働に努める職員が求められています。


第2章 総合的かつ効果的な町政運営 第5章 町政の運営
(基本構想等)
第8条 町は、総合的かつ計画的な町政運営を行うため、この条例の理念にのっとり、町民参加と情報共有を基本として基本構想を定めるとともに、その実現のための政策等を実施しなければならない。
2 町は、基本的な計画を立案するときは、基本構想に即して策定するものとする。

<ポイント>

とにかく、文章が長い。一度にいろんなことを言おうとすると文章が長くなって、わかりにくくなってしまう。長い文章は二つに分けた方がいい。
(基本構想等)
第19条 町は、この条例の基本理念にのっとり、基本構想及びこれを具体化するための計画(以下、「基本構想等」という。)を策定しなければならない。
2 基本構想等は、広く町民の参加を得て策定するものとする。
3 町は、基本構想等の策定、変更または廃止にあたっては、別に条例で定めるところにより、議会の議決による承認を得なければならない。
4 基本構想等は、新たな行政課題に対応できるよう、不断の検討が加えられなければならない。

<ポイント>

第1項と第2項は、町案とほぼ同じです。違うのは、第3項と第4項です。

第3項は、これまで基本構想のみが議会の議決事項とされていましたが、地方自治法第96条第2項に基づき、議決事項の拡大を図るものです。議決事項の対象等については、別に条例で定めることとしました。
(財政運営)
第9条 町は、行政資源を効果的に活用し、最少の経費で最大の効果を挙げるよう財政運営を行うものとする。
2 町は、予算、決算その他町の財政状況を町民等に分かりやすく公表するよう努めなければならない。
(財政運営)
第20条 町は、中長期的な財政計画を策定し、健全な財政運営を図らなければならない。
2 町は、予算及び決算に関する財政状況等を、町民に分かりやすく公表するよう努めなければならない。

<ポイント>

第2項は町案とほぼ同じですが、第1項は、中長期的な財政計画の策定を町に義務づけています。ただ単にことばだけで最小の経費で最大の効果をあげるといっても効果はありません。そのためにはまず何をしなくてはならないか、それを考える必要があります。

中長期的な財政計画の策定はそのための第一歩です。と同時に、予算決算だけでは不十分な財政状況の説明をより奥行きのあるものにします。町民への説明責任を果たすためにも中長期的な財政計画の策定は不可欠です。
(予算編成)
第21条 町長は、予算編成にあたっては、基本構想等と行政評価との連動に努めなければならない。
2 町長は、予算編成にあたっては、広く町民の意見・要望を聞くよう努めなければならない。
3 町長は、前項の町民の意見・要望を予算に反映させるよう努めなければならない。

<ポイント>

第1項では、はっきりと基本構想等と行政評価との連動をうたっています。町案には、行政評価との連動がありません。

第2項では、予算編成においても町民の参加を保障するため、町長は、「広く町民の意見・要望を聞くよう努めなければならない。」としました。行政の内部事務の感が強い予算の編成過程をもっとオープンにして、もっと住民参加を進めるべきです。
(行政評価)
第10条 町は、効果的かつ効率的な町政運営を推進するため、町の実施する政策等の評価を行わなければならない。
2 町は、前項の評価の結果を公表するとともに、政策等に反映させなければならない。
(行政評価)
第22条 町は、効果的かつ効率的に町政を運営するため、町の実施する政策等の評価を行わなければならない。
2 町は、前項の評価の結果を公表するとともに、政策等に反映させなければならない。

<ポイント>

行政評価は、ほぼ町案とおなじです。
(行政手続)第11条 町は、町政運営における公正の確保と透明性の向上を図るため、条例等に基づき町が行う処分及び行政指導並びに町に対する届出に関する手続について必要な事項を別に条例で定めるものとする。 (行政手続)第23条 町は、行政の運営にあたっては、事務手続きの公正と透明性の確保を図るよう努めなくてはならない。2 行政手続に関して必要な事項は、別に条例で定める。<ポイント>行政手続もほぼ町案とおなじです。しかし、町案の文章はお役所ことばでその上長いときているので、文章をふたつに分けてわかりやすい表現にしました町案の文章は、これぞ「お役所ことば」というべきもので、一般の人はこれを読んでもよくわからないと思います。

第6章 住民投票
(住民投票)
第12条 町は、本町に係る重要な事項について、町民の意思を直接確認する必要があると認められるときは、住民投票の制度を設けることができる。
2 町は、前項の住民投票を実施したときは、当該投票の結果を尊重しなければならない。
3 第1項の場合において、住民投票の実施について必要な事項は、それぞれの事案に応じ、別に条例で定める。
(住民投票)
第24条 町長は、本町に係る重要な事項について、直接、町民の意思を確認する必要がある場合は、住民投票を実施することができる。
2 住民投票の実施に関し必要な事項は、別に条例で定める。
3 町長及び議会は、住民投票の結果を尊重しなければならない。

<ポイント>

住民投票は、町案とほぼ同じです。違うのは、住民投票の請求及び発議の条文を加えたことです。

(住民投票の請求及び発議)
第25条 町民及び議会は、本町に係る重要な事項について、町長に住民投票の実施を請求することができる。

<ポイント>

町案には、この住民投票の請求及び発議に関する条文規定がありません。理由は、この規定を入れると常設型の条例をつくらなければならなくなるそうですが、そんなことはありません。(例:杉並区の条例)

これも町長・職員の責務規定をするかどうかの議論と似ています。これは入れることの是非を云々しても意味がありません。入れるか入れないか、それは考え方の問題であり、住民参加に関する、あるいは自治に関するいわば「思想」の問題です。

まちづくりにおける町民の参加権を保障しておきながら、住民投票に関して、請求権、発議権を認めない(明記しない)のは、基本条例そのものに矛盾しています。


第3章 情報共有のための制度 第7章 情報共有のための制度
(情報の公開及び提供)
第13条 町は、町民等の参加による開かれた町政の実現のため、別に条例で定めるところにより、町の保有する情報を公開し、及び提供しなければならない。
2 町は、情報の提供に当たっては、その内容が町民等に理解されるよう努めなければならない。
(情報の公開及び提供)
第26条 町は、町民の知る権利を保障しなければならない。
2 町は、公正で開かれた町政を実現するため、別に条例で定めるところにより、町政に関する情報を積極的に公開し、及び提供しなければならない。
3 町は、情報の提供にあたっては、その内容が町民に理解されるよう努めなければならない。

<ポイント>

第2項、第3項については、ほぼ町案と同じですが、第1項において、町民の「知る権利」の保障を町に義務付けました。
(個人情報の保護)
第14条 町は、個人の権利及び利益が侵害されることのないように、別に条例で定めるところにより、町の保有する個人情報を保護しなければならない。
(個人情報の保護)
第27条 町は、個人の権利及び利益が侵害されることのないように、別に条例で定めるところにより、個人情報を保護しなければならない。

<ポイント>

町案とほぼ同じです。
(会議の公開)
第15条 町の審議会、審査会、その他の附属機関及びこれに類するもの(以下「審議会等」という。)の会議は、法令又は条例等に特別の定めがあるものを除き、公開するものとする。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、当該会議を公開しないことができる。
(1) 会議において、愛川町情報公開条例(平成16年愛川町条例第 号)第6条各号の規定に該当する情報に関し審議するとき。
(2) 会議を公開することにより、公正かつ円滑な審議が阻害されるおそれのあるとき。
2 町は、前項に規定する審議会等の会議を開催しようとするときは、会議名、開催日時、会場、議題、傍聴の方法その他必要な事項を事前に公表しなければならない。ただし、会議の開催が急を要するときは、この限りでない。
3 町は、第1項に規定する審議会等の会議を開催したときは、原則として会議録を作成し、会議資料を添付して公表しなければならない。
(会議の公開)
第28条 町の審議会、審査会、その他の附属機関及びこれに類するもの(以下「審議会等」という。)の会議は、原則公開するものとする。

<ポイント>

町案と違うのは、基本条例であることから、会議の原則公開のみを規定し、詳細は個別条例に委ねることにしたことです。
(委員の公募)
第16条 町は、審議会等の委員の選任に当たっては、公募の委員を加えるものとする。ただし、次の各号のいずれかに該当する審議会等については、この限りでない。
(1) 法令で委員の資格要件が定められている審議会等
(2) 特定の個人及び団体並びに行政処分に係る審議会等 (3) 専門的知識が要求される審議会等
(4) その他委員の公募が適当でない審議会等2 町は、前項に規定する審議会等の委員を公募しようとするときは、審議会等の目的、募集人員、応募方法その他必要な事項を事前に公表しなければならない。
3 審議会等の公募による委員の資格は、原則として次に掲げるとおりとする。
(1) 町民等
(2) 本町の他の審議会等の公募による委員でない者
(3) 本町の職員及び議会議員でない者
(委員の公募)
第29条 町は、審議会等の委員には、公募の委員を加えるよう努めなければならない。

<ポイント>

町案との違いは、基本条例であることから、会議の原則公開のみを規定し、詳細は個別条例に委ねることにしたことです。
第4章 パブリック・コメント手続
(パブリック・コメント手続の実施)
第17条 町は、町民等の町政への参加を促進し、町政運営の公正の確保と透明性の向上を図るとともに、町民等への説明責任を果たすため、基本的な政策等の策定に当たっては、パブリック・コメント手続を実施しなければならない。

<ポイント>

文章が長い。もっと簡潔な表現を工夫すべきである。右の議員案と読み比べてほしい。手続きの詳細は個別条例で規定すれば済むことなのだから、わかりやすさと親しみやすさを犠牲にしてまで基本条例に規定する必要はない。
(パブリック・コメント手続)
第30条 町は、基本的な政策等を策定するときは,事前に案を公表し、町民の意見を求めなければならない。 
2 町は、前項の規定により提出された意見に対する町の考え方を公表しなければならない。
3 パブリック・コメント手続について必要な事項は、別に条例で定める。

<ポイント>

町案との違いは、基本条例であることから、会議の原則公開のみを規定し、詳細は個別条例に委ねることにしたことです。
(パブリック・コメント手続の定義)
第18条 前条に規定する「パブリック・コメント手続」とは、町の基本的な政策等の策定に当たり、当該政策等の案を公表し、広く町民等から意見及び情報(以下「意見等」という。)を求め、提出された意見等を考慮して当該政策等の策定を行うとともに、提出された意見の概要及び意見に対する町の考え方等を公表する一連の手続をいう。

<ポイント>

パブリック・コメント手続の定義は、とても一般の人が読んで理解できる文章ではない。わかりやすさを条例策定のコンセプトしているのだから、こうしたややこしい定義は規定すべきではない。(以下、省略)

第5章 町民公益活動 第8章 まちづくり活動への支援
(町民等及び町民公益活動団体との協働)
第24条 町は、町民公益活動の自治運営に果たす役割を認識し、その自主性及び自立性を尊重し、町民等及び町民公益活動団体と協働して自治運営を行うよう努めなければならない。
(コミュニティ活動)
第31条 町は、地域コミュニティにおける町民の自主的・主体的なまちづくり活動に対して、必要な支援を行うことができる。
(町民公益活動の定義)
第25条 前条に規定する「町民公益活動」とは、町民等の自主的かつ自立的に行われる、非営利で、公共の利益に寄与する活動をいう。ただし、次に掲げるものを除く。
(1) 宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを目的とする活動
(2) 政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを目的とする活動
(3) 特定の公職(公職選挙法(昭和25年法律第100号)第3条に規定する公職をいう。以下同じ。)の候補者(当該候補者になろうとする者を含む。)若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対することを目的とする活動

(町民公益活動の支援)
第26条 町は、町民公益活動団体に対し、その活動を促進するため、必要に応じて予算の範囲内で、財政的支援を行うことができる。
2 町は、前項に定めるもののほか、町民公益活動の促進のために必要な環境の整備に努めるものとする。
3 町は、町民公益活動に対する支援の公平性及び透明性を確保するため、支援の手続に関する書類等を公開しなければならない。

(公益的活動)
第32条 町は、ボランティアやNPO等町民の主体的な公益的活動に対して、その自立を支援するとともに、活動しやすい環境の整備に努めなければならない。
2 町は、前項の公益的活動を支援するための拠点を整備するよう努めなければならない。

<ポイント>

町案同様、地域のコミュニティ活動やボランティア、NPO等の公益的活動がこれからのまちづくりの重要な鍵を握っているという認識は共通しています。

しかし、基本条例であることから、ここでは支援の根拠だけを規定し、詳細は個別条例に委ねることにしました。

なぜなら、本町にはまだ認証されたNPO法人がなく、機が十分熟していないことと、公益的活動への支援をどうするかは、まさに住民参加のテーマであって、関係者・住民の参加を得てつくるのが本条例の趣旨にも合っているからです。

何でも親が作って子どもに与えるというのは、教育上もよろしくありません。また、それでは本当の意味での自立支援になりません。
第6章 まちづくり(条文は省略)
<ポイント>

まちづくり(都市づくり)を規定しなかった理由については、議員案の特徴(概要)に書きましたので、そちらをご覧下さい。

第7章 推進機関の設置 第9章 推進機関の設置
(町民参加推進会議)
第33条 町は、町民等の参加による自治運営に係る基本的事項を調査協議するため、町長の附属機関として、愛川町町民参加推進会議(以下「推進会議」という。)を置く。
2 推進会議は、次に掲げる事項を調査協議し、その結果を町長に報告し、又は意見を建議する。
(1) 町民等の参加の推進状況の把握に関すること。
(2) 町民等の参加の検証及び当該検証結果の公表に関すること。
(3) この条例の改廃に関すること。
(4) その他町民等の参加に関する基本的事項3 推進会議は、委員10人以内をもって組織する。
4 委員の任期は、2年とする。ただし、委員に欠員を生じた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 委員は、1回に限り再任されることができる。
6 前各項に定めるもののほか、推進会議の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
(住民参加推進会議の設置)
第33条 この条例の適正な運用状況を審議するため、町長の附属機関として、愛川町住民参加推進会議(以下「推進会議」という。)を設置する。
2 推進会議の運営は、住民参加の趣旨に基づき、委員の自主性が尊重されなければならない。
3 推進会議は、次に掲げる事項を調査・審議し、報告書を町長に提出する。
(1) 住民参加の推進状況に関すること
(2) 住民参加の評価及び検証の結果に関すること
(3) 住民参加の新たな方法の調査及び研究に関すること
(4) この条例の改廃に関すること
(5) 住民参加の推進に関する基本的な事項4 推進会議は、10人以内の委員で組織する。
5 委員の任期は、2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
6 委員は、2期を超えて連続して再任されることはできない。
7 前各項に定めるもののほか、推進会議に関し必要な事項は、別に規則で定める。

<ポイント>

基本的には町案と同じです。しかし、ひとつ決定的に重要な点があります。推進会議の運営にあたっては、「住民参加の趣旨に基づき、委員の自主性が尊重されなければならない」と規定しました。

せっかくの住民参加がよく言われる「事務局主導」であってはいけません。

(報告書の公表)
第34条 町長は、推進会議が提出した前条第3項の報告書に、町長の意見をつけ、これを公表しなければならない。


 第10章 条例の検討及び見直し
第35条 町は、この条例の施行後4年を超えない期間に、この条例が所期の目的を達成しているかどうかを検討するものとする。
2 町は、前項の検討結果をふまえ、この条例の見直しを含めて必要な措置を講ずるものとする。

<ポイント>

町案にはこの条項はありません。しかし、21世紀の変化のスピードが速い時代においては、本条例の検討及び見直し作業が必要と考え規定しました。この規定がないといつまでも改正されない可能性も出てきます。

第8章 雑則 第11章 委任
(委任)
第34条 この条例の施行に関し必要な事項は、別に定める。
第36条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
この条例は、平成16年9月1日から施行する。
附則
この条例は、平成16 年 9 月 1 日 から施行する。