News summary

金太郎の里づくり足踏み

◆南足柄市が温泉掘削延期
 地元に残る金太郎伝説にちなんで南足柄市が進めている観光拠点整備「金太郎の里づくり事業」で、来年度に予定していた温泉掘削が財政難を理由に先送りされることになった。一九九三年度に始まった同事業は、九九〜二〇〇一年度に予算項目から消えた経緯があり、本年度は四年ぶりに予算が組まれ予定地周辺の測量調査に着手したが、再度の”足踏み”となった。地域活性化の起爆剤として早期実現を求める声に対し、市は「市民生活に密着した事業が最優先」と話し、本年度末をめどに事業見直しの検討を進めている。
 九二年度に策定した市の観光基本計画の中核である「里づくり事業」は、金太郎ゆかりの名所旧跡が残る市北西部・地蔵堂地区を「金太郎の里」と位置付け、観光施設整備により地域振興を図る目的で計画された。
 事業内容は目玉とされる温泉開発のほか、拠点施設「金太郎の館」や親水広場の整備、進入路開設など二十二項目で、当初想定した総事業費は約二十一億円。これまでに金太郎の生家跡地整備や地場産品の加工施設建設、ヤマブキの植栽などが行われてきた。
 温泉開発については、九六年度に実施した地質調査で水量・泉質ともに良好との結果が出たため、一時は掘削まで秒読みと思われた。だが、景気低迷に伴う法人市民税の減収などから積極的な事業展開が困難となり、九九年度に温泉施設検討会が施設規模などの検討を進めた以降は、進展がみられなかった。
 ようやく本年度、掘削に向けて地形調査や測量を実施したものの、来年度当初予算案から再び「里づくり事業」が消える。固定資産税や個人市民税が落ち込み、市税全体で約三億円減(本年度当初比)の見通しという厳しい財政状況のためだ。基金からの繰入金も減り、財政課では「一般財源は約十億円のマイナス。内部努力を重ねており、市民にも理解してもらいたい」と説明する。
 鈴木佑市長は「温泉開発は掘削から施設建設まで一連の事業費が確保され、継続して実行しなければ投資効果が得られない」と強調。現在、関係各課課長や温泉調査専門員からなる「金太郎の里づくり庁内検討委員会」で、施設規模や事業費の見直しが図られている。
 既に設計が済んだ「金太郎の館」も、国の補助金が見込めなくなり建設計画が宙に浮いたまま。産業観光課は「こんな時代だからこそ夢を与える事業を実現したいのだが…」と話すが、道のりは険しそうだ。


週間ご意見箱へちょっと一言