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県内で大深度温泉続々
1500メートルの温泉を掘って全室に供給しようと建設中の海老名市国分南のマンション

◆利用のルールづくり必要
 県内で深さ千メートルを超す大深度温泉の掘削が増えている。温泉地ではなく温泉利用のルールもない地域で、より深い温泉を掘り当てるケースが目立つ。入浴施設だけでなく、温泉付きマンションも出始めた。だが、大深度温泉は湯の量をはじめ、未解明な点が多い。県温泉地学研究所(小田原市入生田、平野浩二所長)などでは来年度以降、資源枯渇の心配がないかどうか研究に着手するとともに、利用のルールづくりも考えていく。
 「全室天然温泉付きマンション」をセールスポイントに、総合地所(本社・東京)が海老名市国分南に建設しているのが「ルネ・エアズヒル」(五百九十三戸)。二〇〇二年五月から温泉を掘り始め、同十月に千五百メートル地点で掘り当てた。三十一度の湯が沸くという。「首都圏ならどこでも千五百メートルくらい掘れば温泉が出る」と同社は話す。
 藤沢市川名のマンション「パークアリーナ」では千二百メートル掘り、共用の浴場とした。大磯プリンスホテル(大磯町国府本郷)でも千六百メートル掘って、二〇〇〇年七月から露天風呂に使っている。このほか逗子市内のマンションで千六百メートル、伊勢原市大山で千八百メートル、藤野町牧野の町営藤野やまなみ温泉でも千八百メートル掘った。
 県温泉地学研究所によると、二〇〇〇年までに県内で登録された大深度温泉は三十八本。温泉保護地域である箱根、湯河原が半数の十九本。残り半数は、温泉地ではない一般地域で掘られた。しかも、より深い千五百メートル以上の十一本はすべて一般地域に集中。県生活衛生課によると、その後も一般地域で〇一年に九本、〇二年度に四本の大深度温泉の許可を出した。
 「より身近な場所で温泉を楽しみたいというニーズがあったところに、掘削技術やポンプアップの技術が進歩し、一般地域で大深度温泉が増えたのだろう」と同研究所では分析する。
 「深さ一メートルで十万円」ともいわれ、温泉掘削のコストは高い。同研究所によると、地中温度は百メートルで二−三度上がる。千メートルなら一億円の計算になるが、三五度から四五度の温泉が期待でき、まだまだ、大深度温泉は増えそうな勢いだ。
 だが、懸念もある。「どこから湯が供給されるのか、使い過ぎて枯渇しないのかなど、大深度温泉はよく分からない点が多い」と同研究所。このため、来年度以降、温泉所有者に協力してもらいながら、大深度温泉の成因、周辺の温泉への影響、湯の量などを研究し、「できるだけ早い時期にルールづくりの材料を出していきたい」としている。


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