<賛成討論> 平成15年 12月 定例会(第4回)-12月15日 ◆13番(熊坂徹君) 戦闘状態の続くイラクへの自衛隊派遣を行わないことを求める意見書、これについての賛成討論をしたいと思います。 ただいま鈴木議員さんから反対の討論があったわけですけれども、人道支援に行くんですよということですね。また、日米同盟があるから、行かなければいけないという、そういった討論の内容が一部ありましたけれども、日米同盟というのは、日米安保条約のあれでしょう。そうすると、中東アラブまで日米軍事同盟が含んでいるのかどうかというのは、ちょっと私は拡大解釈じゃないかと思うんですね。 日米が友好関係にあるということは、私も十分理解しているつもりですけれども、日米軍事同盟というのは、中東アラブまで私は含んでいないと思いますので、その点を一つ指摘をしておきたいと思います。 確かに、イラクへの自衛隊派遣、これは国政の問題でありまして、国の外交に関する問題でもあるわけですね。しかし、永田町だけが日本じゃありません。この愛川町も日本の一部で、我々もまた日本の国民であります。地方議会も、このことに無関心であっていいとは思いません。この際、私ははっきりと声を上げるべきだと考えております。 ましてや事は憲法なんですね。日本国憲法にかかわる問題でもありますので、私は断固この際、地方議会として声を上げるべきだと思います。 今回の派遣については、大義がないと私は思っているんですね。日本国憲法にも反すると思っております。ついにこれで日本もルビコン河を渡ってしまったのかという、ちょっと暗たんとした思いがしているんですけれども、人道支援も含めて、これまでの日本の国際貢献というのは、今までずっと国連中心主義でやってきていると私は理解しているんですね。憲法ももちろん、国連を中心とした国際貢献という精神にあふれていると理解しているんですね。 はじめて日本がPKOを海外に出したときも、国の外交の基本方針というのは、日米同盟じゃなくて、国連中心主義だったんですね。それがいつの間にか日米同盟と国際協調という、2本立てになってきたんですね。非常にややこしくなってきてしまいまして、わかりにくい部分が出てきていると思っています。 しかし、必ずしも、日米同盟と国際協調路線というのがいつもいつもぴったり重なり合っているかというと、そうじゃないんですね。特にことしの3月、アメリカが国連決議なしでイギリスと一緒にイラクを攻撃しましたけれども、それがめぐりめぐって今回の戦闘地域への自衛隊の派遣になったと思っております。 気がついてみると、日本の国際貢献は国連中心主義だと思っていたのが、いつの間にかその実体は国連中心主義を捨てて、日米軍事同盟を優先する形に、非常に急速にこの間カーブを切っているんじゃないかと思います。 12月9日小泉首相は、イラク派遣の基本計画の閣議決定を受けて、記者会見をされたんですけれども、さすがに一国の首相の小泉さんも、この決定に関してはよほど興奮をされて頭が混乱していたのか、会見の内容を拝見しますと、支離滅裂なんですね。 派遣の根拠に憲法の前文を持ち出したりされていましたけれども、記者会見の席上で憲法の前文の一部を読み上げて、その理念をしきりに強調されておりました。自国のことのみに専念して、他国を無視してはならないと。国際社会で名誉ある地位を占めたいと思うと、憲法の前文でそううたっているじゃないか、だからこそ派遣するんだよということで、私は久しぶりに憲法の前文を読んでみました。 ちょっと聞いていただきたいと思うんですが、「日本国民は、恒久の平和を念願し、人類相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。」、 ここには自衛隊の派遣とはまさに正反対のことが、つまり国連憲章に通ずる、紛争の平和的解決という憲法の理念がここにはっきりあらわれているわけですね。それを首相は派遣の根拠づけに言われたので、ますます混乱した記者会見になったんではないかなと思っております。 そもそも、なぜイラクなのかですね。なぜアメリカは難癖をつけてフセインを追い出したのか。何か御用になってしまったとけさの新聞に出ていましたけれども、とにかくイラクの国土にミサイルを雨あられと降らせて、めちゃめちゃに破壊して、イラク復興ということなんですね。こういう流れを見てみますと、国際貢献という美しい言葉にだまされてはいけないと私は思うんですね。国際貢献の意味するものが、その中身が何なのか。国際政治の現実を、我々はちゃんと目を開いて見る必要があると思います。 アメリカのイラク占領の目的、意図というのははっきりしているんですね。一言で言って、石油だということじゃないかと思います。世界第2位の埋蔵量がイラクにはあるそうです。独裁者をやっつけるというんでしたら、世界にはフセインよりもっと悪い独裁者がごろごろいるんですね。 でも、何でイラクのフセインかといえば、イラクには石油があるわけです。その石油の権益を握るために、戦争をしかけて、邪悪はフセインを追い出した。それがアメリカさんの、イラクフリーダムだなんて名前をつけた、イラク戦争の真の姿だと私は思っています。日本のじゃなくて、世界の目からすれば、もうそれが見え見えなんですね。 小泉首相は、日本の理念、国家としての意思が問われていると。日本国民の精神がためされていると言いましたけれども、こんなことのために、つまりアメリカの石油利権のために、憲法に違反してまで自衛隊を派遣するというのは、絶対に、絶対に許してはいけないと思うんですね。本当に悔しい思いがしています。 国際貢献という言葉は美しいですけれども、中身、1枚皮をはいでみれば、そういう低レベルの、利権争いのために日本の国民を戦場に送るだなんて、とても私は、一国の総理の考えることではないと思います。アメリカの利権であります。もっと言えば、石油メジャーの利権のためでしかないのに、自衛隊を派遣する。もし、それで隊員の命が奪われたら、総理はどう責任をとるおつもりなんですかね。日本国民の精神が泣いていると思います。 本日、皆さんお疲れですので、いろいろ皆さんに訴えたいこともまだまだ多々あるんですけれども、最後に、日本の友人でもあります、また、良き日本の理解者でもあります、マレーシアにマハティールさんという、もう首相をおやめになりましたけれども、この方が今回の事態についてコメントしているんですね。 ちょっと紹介したいと思うんですが、アメリカがイラクへの武力行使に踏み切ったとき、真っ先に支持を表明した日本に対して、広島や長崎を経験した日本が、真っ先に米国のイラク攻撃を是認することに驚いたと、マハティールさんは言っておられるんですね。 日本はどうしてアメリカに追随する必要があるんだろうかと。独立国家として、自分の意見をきちんと決めることはできないのだろうかと。今こそ日本は「ノー」と言わなければいけないと、ため息を漏らしていらっしゃるということであります。 国際貢献、人道支援というその言葉の裏側に、実はアメリカの石油利権をめぐる世界戦略があるということですね。それを踏まえての国際貢献なのか、アメリカの石油利権のために日本が自衛隊を派遣するんじゃないかと、やはりここの点だけは、私も含めて皆さんしっかり目を見据えて、今回の自衛隊の派遣の是非について判断をすべきではないかと思います。 以上で討論を終わります。