3月議会での討論
 今回、私は、議案第11号の一般会計のみ反対で、その他の議案については賛成です。以下、私の意見を申し上げます。

まず、議案第2号、第3号の再任用の関係ですが、端的に言って、これは地方公務員制度改革のワンステップ、第一歩であり、これから人事・雇用制度の大改革が始まります。この再任用制度で終わりではありません。

臨時職員についても法的位置付けが変わることになりますし、中途採用や期限付き任用制度など、硬直化した年功序列主義から能力・実績を重視した人事制度へと大きく舵を切ることになります。改革のコンセプトは多様性と柔軟性です。そして、これからは各自治体がいかに柔軟にこれに対応していくか、まさに、力量が問われることになります。 

確かに、「なぜ、公務員だけ優遇されるのか」という声もあります。それに対しては、職員の採用や任用を透明にして、いや、そうじゃないんだということをきちんと説明する必要があります。
三浦市議会は、「給与が高すぎる」「そのために新しいポストを用意する必要がある」「新規採用の門戸を狭めてしまう」などの理由から再任用制度の導入に待ったをかけたと聞きます。

しかし、制度の導入イコ−ル即、そうなると考えるのはどうかと思います。確かに、そうなる恐れもあります。が、再任用というのはひとつの選択肢であり、いかに有効にそれを活用するかが、問われているわけです。これを公務員の優遇制度にするかしないかは、ひとえに人事担当課の運用の仕方とトップの判断にかかっていると言えます。
ただ、一言申しそえるならば、やはり、こういったものは、例えば、昇給停止年齢の引き下げとセットにして出すとか、もう少し何か工夫が欲しかったと思います。

議案第4号、職員定数条例の一部改正については、異議のないところです。職員定数の削減は時代の要請でもあります。しかし、くれぐれも贅肉じゃなくて筋肉を殺ぎ落としてしまわないように、それから、中味的には、専ら現業部門の削減となっていますが、これからは行政の情報化も進み、電子政府の実現もそう遠い将来のことではありません、当然、事務系の職員のあり方についても見直し・検討が必要になります。ケチケチ作戦もいいですが、気持ちまで萎縮させてしまわないで、時代を先取りして、もっと大きな構想で町の将来を考えていただきたいと思います。
 
 

議案第5号、国保税条例の改正は、判断に迷います。医療費の増加や老人保健への繰り入れの増などを考えれば、値上げが避けられないことは分かります。それに対して町が一般会計からの繰入金を大幅に増やしたこともやむを得なかったと思います。
しかし、ひとり当り平均、医療分で13.2%、介護分で17.1%の値上げというのは、ちょっと上げ過ぎじゃないかということと、年収300万の標準世帯で考えると、医療分で18%、介護分で20%の値上げとなることです。納税者からすれば、上がるのはわかるけど、なぜ、そんなに20%も上がるのということになります。

もっとも老人保健への拠出金が17.7%、1億円以上も増えていることからすれば、これもまた、やむを得ないのかなという気にもなります。割り切れない思い一杯の条例改正ですが、当面、他に妙案もなさそうですし、医療制度の抜本的改革に期待して賛成いたします。

議案第6号、教育開発センタ−設置条例については、準備室も設けず、いきなりスタ−トということで、いささか面食らっていますが、善は急げといいます、ぜひ、時代の要求に応えられる素晴らしいセンタ−にしていただきたい。
 
 

さて、議案第11号、一般会計予算ですが、
まず、総務費から、今年も職員の海外研修が例年通り行われます。予算編成方針でも前例踏襲主義はだめだよと言っているのに、もうこの辺で、パック旅行のような海外研修はやめにしたらどうですか。
ある自治体では、海外視察をするときは有給休暇をとらせる。ただし、自費が条件ですが、意欲のある職員はどんどん海外に行って来なさいという制度を設けている自治体もあります。

運転免許をとる前に先に車を買ってしまった感のある、公文書総合管理システムと庁内情報ネットワ−クシステムですが、さあ、どうやって乗りこなしたらいいのか、元気のいい若手が中心になって、投資効果があがるように、活用してもらいたいものです。 しかし、こういったネットワ−クシステムを職員だけで管理して行くのは、かなり骨がおれます。この際、思い切って、外部から行政情報化コンサルタントを活用し、客観的な立場から、情報化の推進に関する示唆や現状の評価を受けることも検討されたらいかがかと思います。

公文書公開制度の運営については、制度の理解が不十分であり、認識が不足している幹部職員も見受けられます。また、作成されるべきはずの文書が作成されていないなど、文書管理の徹底を図る必要もあり、行政情報の積極的な提供や説明責任といった点についても、職員に対する研修が必要であります。

地区嘱託員制度は、廃止の方向で検討すべきと思いますし、従来の区長会ではなく、行政から独立した自治会連合会の設立こそが求められていると思います。

今年度も地域情報化推進事業は寂しい限りです。ホ−ムペ−ジは町の顔ですから、もう少し内容の充実を図っていただきたいですし、イントラネットの構築を契機に、もっと多くの職員にも関わっていただきたい。折角ですから、今年は応急手当推進の町宣言を期に消防関係の情報を充実させたらどうですか。

総合計画の後期基本計画の策定には住民参加が欠かせません。が、アンケ−トとワ−クショップでお茶を濁しておしまいではちょっと寂しい、知恵と工夫が必要です。

IT講習会は、その後のフォロ−アップがどうしても必要ですが、とてもそこまで手が回らないのが現状のようです。しかし、それでは折角の講習が生かされません。講習会以外に、ボランティアのお助け部隊を編成するとか、あるいは、公共施設へ設置するパソコンがなかったら、小学校の古いWINDOWSを一時的に借りてくるとか、何かしないと、受講者からブ−イングが起こるかも知れません。
 

次は、民生費ですが、
障害者福祉計画は、できれば障害者施策推進協議会を設置して、進めていただきたいと思いますが、関係者の意見をよく聞いて、障害者一人一人の顔が見えるような、そんな計画を作っていただきたい。
計画策定の事務を業者に委託しないで、自力で策定したらどうかという声もありましたが、たった二人しかいない現在の職員体制ではとてもムリです、しかし、将来の施策の展開を考えるならば、計画策定におけるアシスタントとしての臨時職員の採用も検討すべき課題かも知れません。

一人暮らし老人給食サ−ビスは、週2回を希望する人が多いとは言え、約半数の人が3回以上を希望していると聞きます。サ−ビス拡大の検討をお願いします。

在宅介護支援センタ−について、今年度は、従来の事業費に、プラス0.5人分が上乗せされました。これで、ケアプランも仕事も手につかないという状況が少しは改善され、キ−・パ−ソンとしての役割がきちっと果たせることを期待します。

ホ−ムヘルパ−の養成研修については、考え方のずれを感じます。家族に介護を期待するのではなく、上手にサ−ビスを利用して、介護地獄に落ちないようにするのが、介護保険の目的ではありませんか。家族には、介護者教室などの方が実践的ですし、2級のヘルパ−については、すでに社協が60人も養成しています。

しかし、後のフォロ−が何もないので、せっかくの人材の活用が図られていません。養成コ−スが終わったら、それでおしまいということじゃなくて、ヘルパ−にも定期的な研修が必要ですし、お互い同士の情報交換の場も必要、さらにレベルアップしたいという人にはそのチャンスが与えられなければなりません。そう言った体制がないところで、また、同じようなことを繰り返してやっても、すでに結果は見えています。

小児医療費の助成については、所得制限撤廃の議論をきちんとすべきです。町長、金の問題ではない、福祉政策としてやっている以上、所得制限があるのは当然だと言われましたが、児童手当て支給の枠が拡大され、対象者は85%、いや90%に達しています。
これはもともと児童福祉政策として位置付けされていたかも知れませんが、対象から外れる人が1割しかいない現状からして、これを福祉政策と位置づけるのには無理があります。
 

衛生費、環境基本計画推進事業、これについては、計画の推進を行政と市民が一体となって進めていくためには、エコパートナーの公募など、何か工夫が必要です。

ごみ減量・再資源化事業の環境美化指導員、これはすでに役割が終わっていると思います。

電動式生ゴミ処理器購入補助金は、あちこちでやっているし、いかにもお手軽な施策という感じがしますが、事業としてやる前にきちんとライフサイクルアセスメントを行うべきです。でなければ、環境課の看板をはずすべきです。
 確かに、最近人気の電動式生ゴミ処理器ですが、本体価格は数万〜10数万円と高額なことに加え、毎月の電気代もかかり、最終的に生ゴミ1kg処理するのに150円〜250円の費用がかかると言われています。何と、町で処理するのに比べ4倍から6倍の費用がかかることになります。

こんなものを町が勧めていいのですか、皆さん、知らないでしょう、そんなこと。町が勧めるからには、こういった点もちゃんと責任もって知らせてあげる必要があるのではありませんか。

紙類再資源化倉庫にも問題があります。いったい何基設置したら終わりになるのか、また、そのときには紙類の資源化はどこまで達成されるのか、そして、回収できない残りの紙はどうするのか、こういった検討がなされないまま、設置すればとにかくそれなりの効果があるということで、今年も21基が予定されています。

とにかく、町には、ごみ処理に関する計画が何もないのです。住民参加、住民合意でつくりあげた基本方針がない。廃棄物処理法に規定されている、一般廃棄物処理計画もない。当然、わが町のごみ処理の状況はどうなっているのか、それもすぐにはわからない。年次報告書もなければ、清掃事業の概要もつくっていない。

これでは町の状況について、何をどうすればいいのか、分析することもできなければ、それをもとに町民の間で議論することもできない。もちろん、ごみ減量の目標もない。だから、ごみが増えても責任を問われない。ずっとそういう形できている。もう、そろそろ何とかしませんか。今年はソフト事業の年ですよ。

そこで、ごみ処理広域化という問題があるわけです。これは、町にとっても将来を左右する大問題です。果たして、このまま広域化を進めていいのか、今年こそ、町民と共に徹底的に議論すべきときでしょう。
 

農林水産業費、例によって多くの事業が予定されていますが、地域農業の振興に知恵をしぼって取り組んでいただきたい。今年は、特に、子どもたちが学校給食で地場産の野菜が食べられるよう、関係者間の調整をお願いします。
 

商工費については、構成比こそ4.2%ですが、勤労者への資金預託がかなりの部分を占め、これだけの予算で産業経済の振興や地域の活性化に取り組むには不十分な面もあります。しかし、足りない部分は職員の知恵と工夫で補って、頑張っていただきたい。
 

土木費については、地元の区要望を最大限考慮し、道路新設改良事業費が6億7000万と前年度比1億4000万の伸びとなっています。このように生活基盤が整うのは喜ばしいことですが、中に一部、優先順位からして疑問に思われる事業も見受けられます。
また、問題の幣山下平線については、まず、尾山耕地周辺の自然環境の保全に取り組むことが重要であり、農振農用地であるから何も手が打てないと考えるのはお役所的な発想の典型です。
また、ル−トが変更された道路についても、投資効果や費用便益効果だけでなく、これからの少子高齢社会のまちづくりを考える中での総合的な政策評価・判断が求められていると申し上げておきます。
 

消防費については、応急手当普及啓発活動、特に、全国でも初めての「応急手当推進の町 愛川」宣言に期待します。21世紀の幕開けに全国のモデルとなるような取り組みを期待します。本部職員による出前講座や何といっても子どもたちへの普及に力を入れるという着眼が素晴らしいと思います。
しかし、救急患者も火事と同じで、出さない方がいい、予防がこれに勝るわけで、その意味でも、今後は、長寿課や健康づくり課との連携にも力を入れていただきたい。
 
 

教育費ですが、昨年の討論で、私は、教育費を倍増させるぐらいの意気込みがほしかったと申し上げました。その甲斐あってか、ご理解がいただけたのか、13年度では、半原小の大規模改修などもあり、総額ではだいぶ伸びております。
瞬間風速ですが、年率28.9%の伸びであります。この分で行くと、3年でほぼ倍増となる計算ですが、ぜひとも、そうありたいものです。

さて、多くの人の期待を担って、学校評議員制度の検討が進んでいるようですが、これも愛川の地に芽生えたものではなく、いわば、空から降ってきた制度であります。くれぐれも魂を入れ忘れないようにお願いしておきます。
各学校には、戦後の教育改革の中で画期的な役割を果たしてきたPTAもあります。なぜ、PTAではなく、学校評議員制度なのか。それをきちんと踏まえた取り組みをしないと、屋上、屋(おく)を架すことにもなりかねません。

去年の5月、中津大橋から中学生が飛び降りるという痛ましい事件がありました。本人が日ごろどんなに悩み苦しんだか、今となっては、知る術もありませんが、それに対し、私たちは結果的に何も応えることができなかった、小さな命の叫びを聞いてあげることができませんでした。
その意味でも、私は、新年度予算において、子ども電話相談、例えば、子ども110番や子どもホットラインの設置がなぜできなかったのか、と思っています。

教育開発センタ−をつくるんでしたら、ぜひ、こういった相談機能の充実をまず考えてほしかったと思います。センタ−の一番の課題というのは、地域とのコミュニケ−ションであり、いかにセンタ−を地域に開放していくか、それが成功の鍵を握っていると言っても過言ではありません。ですから、その意味でも、文化会館3階の資料室が自由に使えないのは、残念至極です。

行事のための控室の使用は、たかだか月に1度か2度、そのために教育開発センタ−の落ち着き先が確保できないなんて、私には信じられません。逆に、その程度にしか教育開発センタ−が評価されていないのかと思うと背筋が寒くなります。

教育に情熱をもっている若い先生を臨時的任用で小中学校に派遣するフレッシュ教員派遣事業を行う自治体が増えてきています。学級運営が大変な小学校低学年のクラスへもうひとり先生を派遣して行う、チ−ムティ−チングあるいは、小中学校全学年を通して、算数・数学や英語などきめ細かい指導が要求される授業においてもTTが活用されるようになっています。 新年度において、こういった取り組みがあまりみられなかったことは残念です。

しかし、人づくり基本構想による、読書活動への取り組み、朝の読書やボランティアによる読み聞かせなどが活発に行われようになってきたことは、うれしいことです。

家庭訪問相談員が、町単独の事業として、新年度は復活しました。また、部活動の技術指導者派遣事業も、県を当てにせず町独自の予算で、各校1名ずつを一挙に3名ずつに増やしたこと、これは子どもたちへの何よりのプレゼントです。

新年度、町内全行政区を対象に行われる放課後児童健全育成事業は、いままで行ってきた留守家庭対策事業の発展的解消であるとのことですが、第二小の子ども遊び塾など、学校開放、地域との連携とどのように関わるのか、見えない部分も多く、また、懸念される点もいくつか見受けられます。くれぐれも慎重な取り組みをお願いしたい。

文化会館や図書館、体育館など公共施設の振り替え休日の廃止は、利用者にとってうれしいニュ−スです。しかし、公民館運営審議会のあり方とともに、文化会館事業協会への補助金については見直しが必要です。いつまでも、15年前の文化後進地域の感覚でものごとを考えてはいけません。

議案第12号の国保、第13号の老健については、議案第5号のところで概略意見を申し上げました。議案第14号、介護保険特別会計については、在宅系のサ−ビス利用率が低いこと、介護の手が必要な重度の人ほど利用率が低いこと、また、認定されてもサ−ビスを利用しない人が相当数いること、こういった現状・実態の調査を行い、問題の把握と解決に努め、介護保険の適切な運営ができるよう努力をお願いしたい。
 
 

議案第15号、下水道会計は、都市計画道路桜台小沢線が完成したこともあり、今後の財政運営を考え、繰入金を5000万増額したことは、適切な判断といえます。
すでに供用開始となっている田代、半原地区で未接続世帯が200世帯ほどありますが、問題のある融資制度は、急いで見直し・改善を図っていただきたい。
 

議案第16号、水道事業会計は、いま第4次拡張事業が行われていますが、
この事業、平成22年には、町の人口が5万5000人になるという総合計画が根拠になっており、この中には、核づくりによる人口増加分1900人も入っています。後期基本計画の策定にあわせ、事業の見直しが必要です。

平成6年につくられた計画では、一日最大給水量、18,100tを、平成20年において、24,500tにするというものでしたが、一日最大給水量は、平成11年、ついに、16,000tを割り、15,518tになってしまいました。

こんなことなら、何も高いお金をかけて第4次拡張事業などやる必要もなかったのですが、平成7年、8年において、半原地区の水源の枯渇という異常事態が発生し、どうやら、やっててよかったということになったようであります。
そうでなければ、独立採算制の地方公営企業ですから、過大設備のツケは、そのまま住民に押し付けられることになります。

また、さらに現在の一日最大給水量16,000tからすると、4拡の目標24,000tは、1.5倍になります。東京都ですら、給水能力は一日最大給水量の1.3倍ですから、やや多い感じもします。それと、この間、施設の利用率、施設最大稼働率、固定資産使用効率とも、いずれも下がっており、注意が必要です。
今後も引き続き、安くて美味しい水を安定供給できるよう、健全経営へ向けて職員一丸となった取り組みを期待します。

最後に、予算編成に当たられた職員の方々に申し上げたいのは、予算編成過程の透明化に取り組んでいただきたいのと、今年は、とにかく何か目標を決めて、チャレンジしてほしいということです。歳月人を待たず、光陰矢の如し、Time flies です。一年など何もしなくても、あっと言う間に終わってしまいます。

1年後の成果を期待して、私の討論を終わります。